現地時間3月25日(土)にドバイのメイダン競馬場で行われる
ドバイワールドカップデー。6つのG1競走を含む9つの重賞競走が行われる世界でも有数の競馬イ
ベントだ。
かねてより数多くの日本馬が勝利を挙げてきた舞台とあって、ファン一人ひとりに思い出深いレースや勝利があることだろう。本稿では数々の名勝負の中から、2014年のドバイデューティーフリー(現
ドバイターフ)を振り返る。
勝利したのは栗東・
須貝尚介厩舎所属の
ジャスタウェイ。
父ハーツクライ、
母シビル、母の
父Wild Againという血統の牡馬で、オーナーはアニメなどの脚本を手掛ける大和屋暁氏。当馬の馬名意味は「その道」となっているが、オーナーの代表作品『銀魂』に登場するアイテム(爆弾)の『
ジャスタウェイ』が由来とされる。
2011年7月に新潟競馬場でデビューを迎えて白星を飾り、12年2月の
アーリントンCで重賞初制覇を果たす。その後しばらくは勝ち星に恵まれなかったが、13年6月の
エプソムCから重賞で3戦連続で2着に好走。そして、5番人気で迎えた
天皇賞(秋)では、惜敗続きの鬱憤を晴らすかのように4馬身差をつける圧巻の走りでGI初制覇を飾った。
天皇賞の終了後、オーナーがドバイ遠征プランを発表し、年明けにはドバイDFへの出走が決定した。前哨戦に選ばれた
中山記念では内の3番手を立ち回り、直線で内ラチ沿いを鋭く突き抜け快勝。58kgの斤量を物ともせず、本格化を印象づける3馬身半差の貫禄勝ちで、ドバイの地へ向かった。
■ドバイの地で末脚爆発 「世界の
ジャスタウェイ」へ
14年のドバイDFは欧州や日本、香港などからGI馬や重賞勝ち馬が一堂に介し、例年同様に豪華な顔ぶれとなった。
ジャスタウェイは各ブックメーカーで1〜2番人気に支持されたが、オッズは4.0倍~5.0倍。決して抜きん出た存在ではなかったのだが「その評価は誤りだった」と、レース後に世界のホースマンは認めざるを得なかった。
日本時間の深夜1時40分ごろ、勝負のゲートが開く。
ジャスタウェイは五分のスタートから馬のリズムに合わせて後方2、3番手の位置。
天皇賞(秋)を制したときと同じようなポジションで、
トウケイヘイローや
ザフューグが刻む淀みないペースを追走していく。
3コーナー過ぎ、
ウェルキンゲトリクスが動くのに合わせて
ジャスタウェイも進出を開始。福永騎手が迷わず大外を選択すると、直線では末脚が爆発した。馬なりのまま、あっという間に10頭をごぼう抜き。残り300m付近からはただ一頭突き抜けて6.1/4馬身差の圧勝。それも今までのレコードを2秒も縮める1:45.52という驚異的な時計で世界の頂に立った。なお、このレコードは現在も破られていない。
この勝利で競走馬の世界格付け(ワールドベストレースホースランキング)で130
ポンドを獲得し、日本調教馬初の世界単独1位に輝いた。そのまま同年末まで首位を譲らず年間1位も確定。ドバイDFのゴール直前、実況アナウンサーが言った「世界の
ジャスタウェイ」というフレーズは名実ともに現実のものとなる。陣営の果敢な挑戦はこれ以上ない結果で幕を閉じたのだった。
2023/3/24 21:47
ジャスタウェイ好きだったなぁ。
競馬場の達人で麒麟川島とジャンポケ斉藤がサシタウェイとか叫んでたっけ。
まさか、レーティングで世界一になったり、不良馬場の安田記念を勝つとは思わなかったっけ。
どスローの有馬記念の差し損ねがめちゃくちゃ悔しかったなぁ…