【2014年・ドバイDFプレイバック】世界ランク1位の爆発力 ジャスタウェイ衝撃の6馬身差V

2023年03月24日(金) 19:50 4 25

ドバイDFを勝利したジャスタウェイ(撮影:高橋正和)

 現地時間3月25日(土)にドバイのメイダン競馬場で行われるドバイワールドカップデー。6つのG1競走を含む9つの重賞競走が行われる世界でも有数の競馬イベントだ。

 かねてより数多くの日本馬が勝利を挙げてきた舞台とあって、ファン一人ひとりに思い出深いレースや勝利があることだろう。本稿では数々の名勝負の中から、2014年のドバイデューティーフリー(現ドバイターフ)を振り返る。

 勝利したのは栗東・須貝尚介厩舎所属のジャスタウェイ父ハーツクライ母シビル、母の父Wild Againという血統の牡馬で、オーナーはアニメなどの脚本を手掛ける大和屋暁氏。当馬の馬名意味は「その道」となっているが、オーナーの代表作品『銀魂』に登場するアイテム(爆弾)の『ジャスタウェイ』が由来とされる。

 2011年7月に新潟競馬場でデビューを迎えて白星を飾り、12年2月のアーリントンCで重賞初制覇を果たす。その後しばらくは勝ち星に恵まれなかったが、13年6月のエプソムCから重賞で3戦連続で2着に好走。そして、5番人気で迎えた天皇賞(秋)では、惜敗続きの鬱憤を晴らすかのように4馬身差をつける圧巻の走りでGI初制覇を飾った。

  天皇賞の終了後、オーナーがドバイ遠征プランを発表し、年明けにはドバイDFへの出走が決定した。前哨戦に選ばれた中山記念では内の3番手を立ち回り、直線で内ラチ沿いを鋭く突き抜け快勝。58kgの斤量を物ともせず、本格化を印象づける3馬身半差の貫禄勝ちで、ドバイの地へ向かった。

■ドバイの地で末脚爆発 「世界のジャスタウェイ」へ

 14年のドバイDFは欧州や日本、香港などからGI馬や重賞勝ち馬が一堂に介し、例年同様に豪華な顔ぶれとなった。ジャスタウェイは各ブックメーカーで1〜2番人気に支持されたが、オッズは4.0倍~5.0倍。決して抜きん出た存在ではなかったのだが「その評価は誤りだった」と、レース後に世界のホースマンは認めざるを得なかった。

 日本時間の深夜1時40分ごろ、勝負のゲートが開く。ジャスタウェイは五分のスタートから馬のリズムに合わせて後方2、3番手の位置。天皇賞(秋)を制したときと同じようなポジションで、トウケイヘイローザフューグが刻む淀みないペースを追走していく。

 3コーナー過ぎ、ウェルキンゲトリクスが動くのに合わせてジャスタウェイも進出を開始。福永騎手が迷わず大外を選択すると、直線では末脚が爆発した。馬なりのまま、あっという間に10頭をごぼう抜き。残り300m付近からはただ一頭突き抜けて6.1/4馬身差の圧勝。それも今までのレコードを2秒も縮める1:45.52という驚異的な時計で世界の頂に立った。なお、このレコードは現在も破られていない。

 この勝利で競走馬の世界格付け(ワールドベストレースホースランキング)で130ポンドを獲得し、日本調教馬初の世界単独1位に輝いた。そのまま同年末まで首位を譲らず年間1位も確定。ドバイDFのゴール直前、実況アナウンサーが言った「世界のジャスタウェイ」というフレーズは名実ともに現実のものとなる。陣営の果敢な挑戦はこれ以上ない結果で幕を閉じたのだった。

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  • ☆翔☆さん

    2023/3/25 0:15

    こうしてジャスタくんの記事を書いてくれるだけで嬉しい!
    ありがとうq(^-^q)

  • アザルトオンワードさん

    2023/3/25 6:35

    この帰国後の安田記念、ドロドロ馬場で、大先生を背に、グランプリポスをねじ伏せて、翌日は疲れて横になって寝ていた、って記事を懐かしく思い出します。

    大好きでした。

    最後の有馬、現地で応援したなー

  • ゲストさん

    2023/3/25 8:33

    産駒が意外と成長力がない子が多いのが残念ですが、お隠れになられた父ちゃんの代表種牡馬としてサイアーラインを強固に出来るような代表的な後継種牡馬を願います。

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