【桜花賞】武豊騎手がディープ産駒最終世代・ライトクオンタムで参戦「クラシックに乗れるのはうれしい」

スポーツ報知

2023年04月04日(火) 06:05

桜が舞う栗東トレセンで順調に調整を進めるライトクオンタムと武豊

◆第83回桜花賞・G1(4月9日、阪神・芝1600メートル)

 2日の大阪杯で史上最年長G1勝利記録を樹立した武豊騎手(54)=栗東・フリー=が、2週連続のG1制覇をかけて第83回桜花賞(9日、阪神)に参戦する。パートナーは無傷の3連勝Vを狙うライトクオンタム。05年の無敗3冠馬ディープインパクトの最終産駒の一頭だ。偉大な功績を残した種牡馬ディープのクラシックもいよいよ最終章。父と全14戦でコンビを組んだレジェンドがその開幕を飾る。

 天国の“盟友”に新たなタイトルを届ける。特別な思いを胸に秘めた武豊が、ディープインパクト産駒ライトクオンタム桜花賞に挑む。19年に死に、今年の国内6頭が最終世代となったディープ産駒のクラシック最終年。「ラストクロップでクラシックに乗れるのはうれしいし、楽しみ」と胸を高鳴らせた。

 日本競馬界の至宝ディープには全14戦に騎乗。無敗の牡馬3冠を含むG1・7勝をともに勝ち取った。「本当に特別な馬」と語る名手も、娘の飛躍に期待を込める。「出遅れて(道中は)右にささって。かなりのロスはありましたが、勝ち切ったことは大きい」。前走のシンザン記念は飛び上がるようなスタートで後手に回り、逃げ切ったデビュー戦とは一転して後方からの競馬。だが、直線は父をほうふつとさせる最速の末脚で差し切った。「能力は高そう。2戦目で牡馬相手に重賞を勝ったからね」。牝馬3冠を達成した12年ジェンティルドンナ、18年アーモンドアイも勝った出世レースを制し、同じ軌跡への第一歩を刻んだ。

 成長も感じ取っている。3月29日の1週前追い切りで手綱を執り、栗東・CWコースで6ハロン84秒7―12秒0。アリクテラー(3歳未勝利)と併せ、ゴール前の仕掛けに鋭く反応して頭差先着した。「右にささる面はましになっていた。重いウッドで動けるタイプではないと思うので、状態は悪くない」。昨年の牝馬1冠目は同じく弟・幸四郎調教師が管理するウォーターナビレラで2着。惜しくも鼻差で逃したJRA史上初の「騎手&調教師」の兄弟G1制覇へ、再びチャンスが巡って来た。

 大阪杯ジャックドールで制し、JRA・G1通算80勝。54歳19日の史上最年長G1勝利を飾り、衰え知らずの存在感を示した。桜花賞もすでに単独最多の5勝。ここを勝てば、昨年の日本ダービーで樹立したクラシック最年長勝利もさらに更新する。「記録を、今度は自分で更新していけるように頑張りたい」。ディープの娘と先頭でゴールを駆け抜け、再び仁川で満開の笑顔を咲かせる。(戸田 和彦)

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