◆第84回オークス・G1(5月21日、東京・芝2400メートル)

　第84回オークス・G1(21日、東京)は、牝馬2冠を狙うリバティアイランドが断然の主役だ。阪神JF、桜花賞と同世代G1連勝での臨戦は史上6頭目。阪神JFで2着馬に騎乗した木幡初也騎手が、敗戦の衝撃を振り返る。

　パートナーの能力は出し切った。しかし勝ち馬の力は、ケタ違いだった。12番人気のシンリョクカを2着に導いた木幡初は「直線ではオッと思うところがあったし、実力は発揮できたレースだったと思うんですけど、抜かれる時は一瞬でした」と、リバティアイランドの末脚に屈した一戦を振り返る。

　当日の阪神は開催が進んでいたものの、馬場は内が悪くないと判断。3番枠からのスタートだったこともあって内めをロスなく立ち回り、直線もインから馬群を縫うように伸びた。手綱から伝わる感触も申し分なかったが、並ぶ間もなく突き抜けられた。「ちょっと次元が違うな、と。自分も自信を持って乗れたんですけど、抜かれる時の迫力が違いましたね。ねじ伏せられた、という感じでした」

　阪神JFは香港遠征中だった吉田豊の代役騎乗だったため、オークスは応援する立場になる。同馬と女王の対決は桜花賞も含めて3戦連続。「(相手が)強いのは間違いないですけど、シンリョクカもすごくいい馬。どこかでひと泡ふかせることがあっても驚かないです」と、ひそかに逆転を楽しみにしている。(西山　智昭)