「騎手はね、痔(ぢ)と腰痛が多いんだよ。職業病かな」。以前、ある騎手から聞いた。馬にまたがる特殊な職業を思えば、深く納得できる。

　かくいう私もずっと、あることに悩まされている。声帯だ。仕事が続くと、どうしても喉に負担がかかる。数年前にはポリープも見つかり「早く手術しましょう」とまで言われていた。しかし、どの世界にも天才はいるものだ。都内の某診療所は、舞台俳優や声優、歌手など、声をなりわいとする人たちの駆け込み寺として有名だ。それゆえに問診票には「本番はいつですか」など、他では見られない特殊な質問がいくつもある。待合室からあっという間に診察室に通され、名医に喉をのぞかれる。何も言わずとも原因を的確に当てられ、治療法を提案。喉を最優先する名医と、何が何でも声を出さなきゃいけない患者との話し合い。この仕事を理解してくださることにも感謝だ。名医に何度「ありがとうございます！」と手を合わせたことか。体は資本だと身にしみて実感する。体調を崩しやすい梅雨時、読者の皆さまもご自愛ください。

　岩鷲賞は、もちろんキラットダイヤから。ここはぶっちぎりで勝ってくれます！馬券は3連単1着固定で、(12)から(1)(6)(7)(10)。各100円で計1200円。

　◇六車　奈々(ろくしゃ・なな)1973年(昭48)12月2日生まれ、京都府出身の49歳。