【関屋記念】アナザーリリック 逆襲準備OK 2戦2勝得意新潟で2度目重賞Vだ

スポニチ

2023年08月10日(木) 05:29

津村を背に芝コースで追い切るアナザーリリック(撮影・村上 大輔)

 サマーマイルシリーズ第3戦「第58回関屋記念」の最終追いが9日、東西トレセンで行われた。美浦では新潟2戦2勝と得意なアナザーリリックが、津村明秀(37)を背に芝コースでラスト1F10秒9と抜群の脚さばきを披露した。

 ゴール板を過ぎても、津村はアナザーリリックの手綱を緩めなかった。芝コースでセブンリーチ(3歳未勝利)を2馬身先行させてスタート。序盤はゆったりとしたペース。4Fから加速して52秒4〜1F10秒9でフィニッシュかと思われたが、馬の行く気に任せてそのまま疾走。ペースが緩んだのは約半周した向正面だった。津村は「テンが遅かったので向正面まで行こうと。まだ前進気勢があったし、感じは良かったですよ」と“補強”の理由を説明した。

 現在、美浦トレセンは延伸工事中のため坂路コースを閉鎖中。そのためほとんどの馬がWコースで追い切りを行うのだが、陣営が選択したのは芝コース。その理由は林師が説明した。「Wコースのウッドチップを入れ替えたばかり。くもずれ(後肢の球節の下部にできる円形のむくれ傷。地面や他の脚と擦れ合って腫れる症状)ができやすい馬なので芝にしました」

 ダート初挑戦だった3走前のJBCレディスクラシック7着は度外視できるとして、ここ2戦は中山芝で7、10着と結果を残せていない。「ここ2戦がふがいない競馬。この馬の力を引き出せれば上の方にいけると思う」。津村が力強く雪辱を誓えば、林師も「器用な馬ではないので、中山だと枠順に左右される。新潟なら競馬がしやすいので、力を発揮できると思います」と巻き返しへ自信をのぞかせた。

 同厩舎のG13勝馬ソングラインは同期。その陰に隠れる形になっているが、アナザーリリックも昨年4月の福島牝馬Sを制している重賞ウイナー。特に新潟では新馬、佐渡S(3勝クラス)と勝って2戦2勝。得意舞台で2度目の重賞制覇へ。芝での最終追いが、いいスパイスになりそうなムードだ。

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