広い新潟競馬場の外回りコースを使用した世代最初のマイル重賞。向こう正面よりも最後の直線の方が長いコースだけに一瞬の脚というよりも、長く良い脚を使えるタイプが向くコース。キャリアの浅い2歳馬なれば、完成度の高さも重要な
ファクターとなる。過去10年の優勝馬のうち5頭が前走で新潟競馬場を経験しており、残り5頭も中京、東京から挑んできた馬。左回りの経験は重視したい。
◎
クリーンエアは新潟競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。当時、まったくの人気薄で
ノーマークの立場だったとはいえ、最後の直線ではインコースで行き場をなくし、後方に下げて外に持ち出す大きなロス。残り200m付近では絶望的な位置取りだったが、そこから力強く伸びた。父は
ラウダシオンや
モズメイメイを送り出した
リアルインパクトで、母は米国産2勝馬。2歳6月に2連勝を記録した仕上がりの早い馬だった。祖母の
フォレストエ
アレスは6ハロンの重賞を2勝。1歳違いの全弟には米G1フランクJ.ド
フランシス記念ダッシュSなど6勝の
ワイルドキャットエアーがいる血統で、仕上がりの早さとスピードは血統の裏付けがある。
〇
アスコリピチェーノは東京競馬場芝1400m新馬戦優勝馬。そのデビュー戦は、半マイル48.3秒のスローペースを出たなりのスタートで無理をすることなく後方外目で脚をため、残り400m付近で外に持ち出されると11.6秒-11.6秒のレースラップを楽に差し切った。父はマイルの大種牡馬
ダイワメジャーで、祖
母リッスンは英国GIフィリーズマイルの優勝馬。
母アスコルティは、
ローズS優勝
タッチングスピーチ、
菊花賞2着
サトノルークスの半姉で自身も
JRA芝1400m以下で2勝。底力が要求されるマイルは得意とする血統だ。
▲
ヒヒーンは阪神競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。半マイル49.9秒のスローペースにやや行きたがるところを見せたが、巧みに折り合い4角をまわって先頭に躍り出ると最後の3ハロンは11.5秒-11.2秒-11.3秒の高速上がりと楽にマークして抜け出した。父
ジャスタウェイは、自身も
新潟2歳S2着馬で、
最優秀2歳牡馬ダノンザキッドの父。母系は強烈な決め手を武器に活躍した
ブロードアピールにさかのぼるもので、英日ダービー馬同士の配合から生まれた
母イイナヅケは、
ワグネリアンの従弟でもある。成長力と底力も期待できる配合だ。
△
ルージュスタニングは中京競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。半マイル通過49.4秒のスローペースをゆったりと好位で追走。そのまま4角をまわると11.7秒-11.6秒-11.4秒の加速ラップで楽に突き抜けた。父は圧倒的なスピードを産駒に伝えて19年から昨年まで4年連続米国チャンピオンサイアーの座を守り続けているイントゥミスチーフで、叔父に米3歳牡馬チャンピオンの
アロゲートがいる血統。上手く流れに乗ることができれば侮れない1頭だ。
△
エンヤラヴフェイスは中京競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。互角のスタートから二の脚利かせてハナに立つと、半マイル49.1秒のスローペースを2番手マーク。4角をまわるときの手応えは決して良くはなかったが、残り200m手前で先頭に立つと、後続を一気に突き放した。NAR
年度代表馬サミットストーンの半弟だが、父が
ロージズインメイから
エイシンヒカリへと変わりタイプも異なるようだ。
2023/8/27 9:26
頑張れ!ルージュスタニング!