“生産者主導”で生まれた『JBC』 創設までの経緯と意図とは

2023年11月02日(木) 19:45

今年は大井/門別で行われるJBC(撮影:高橋正和)

 今年で23回目を迎えた『JBC』。すっかり競馬ファンや関係者にもお馴染みとなった“ダート競馬の祭典”ではあるが、創設の経緯はご存じだろうか。

 アメリカで1984年にスタートした『ブリーダーズカップ』に範を取り、将来的にはダートの各カテゴリーのチャンピオン決定戦とするべく01年に創設。当初はクラシックとスプリントの2競走だったが、11年にはレディスクラシック、20年には2歳優駿が追加され、現在は4競走で行われている。

 ちょうど『JBC』が創設された当時は、日本の競馬全体が売上減少に直面。とりわけ各地の地方競馬では存廃までもが議論されている状態で、賞金減少によって馬産地では馬の売れ残りも発生していた。そこで、生産者自らが主導して競馬界を盛り上げ、同時に発展や振興に寄与する競走として生まれたのが『JBC』。“生産者主導”という点が、アメリカの『ブリーダーズカップ』や日本の『JBC』が他の競走と一線を画す部分といえる。

 また、『JBC』は「持ち回りであること」「1日に複数のGI級レースが行われること」も特徴だろう。現在、日本で行われているグレードレースの中で、開催地が持ち回りとなっているのは『JBC』のみ。これまで盛岡、浦和、船橋、大井、川崎、名古屋、金沢、JRA京都、園田で開催されており、来年には佐賀で初開催となる。なお、2歳優駿はこれまでと同じく門別で実施される。

 JRAではかつてジャパンCジャパンCダートを同日に行ったこともあるが、現在では一日に複数のGI級競走を行っているのは『JBC』に限られる。13年からはJBCレディスクラシックがJpnIに格付けされたことにより、日本競馬では初めて“一日にGI(JpnI)3連発”となった。

 今年も大井/門別で熱戦が期待される『JBC』。創設には「競馬界を盛り上げなければいけない」という、生産者界の熱い思いがあった。本家・アメリカの『ブリーダーズカップ』にも多数の日本馬が出走するが、その前に『JBC』を楽しんでみてはいかがだろうか。

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