◆第58回デイリー杯2歳S・G2(11月11日、京都・芝1600メートル、稍重)

　第58回デイリー杯2歳S・G2は11日、京都競馬場で行われ、単勝1番人気のジャンタルマンタルが無傷の2連勝で重賞初Vを決めた。鮫島駿がデビュー前から並々ならぬ期待を寄せてきた素質馬。デビュー9年目の鞍上とともに、悲願のG1奪取へ向かう。

　絶対に負けられない。ジャンタルマンタルの力を信じていたからこそ、無傷の2連勝に導いた鮫島駿が喜びを爆発させた。「自信がありました」。馬上で天に向かい、何度も右拳を突き上げた。

　道中は好位の内めを追走。直線は迷うことなく最内を突いた。残り200メートル付近で先頭に立つと、ゴール前では流す余裕もありながら2馬身差と圧倒。「初戦よりさらにいい内容だったと思います。思ったよりゴールまでしっかり伸びてくれました」とうなずいた。

　デビュー前から素質にほれ込み、「この子で必ず大きなところを取る」と心に決めてコンタクトを深めてきた。今回が産駒のJRA重賞初制覇となった父パレスマリスは、今年の天皇賞・春を制したジャスティンパレスの半兄。ジャスティンパレスとともに昨年の神戸新聞杯を制した鞍上にとっても、縁のある血統だ。

　「今日はG2でしたが、G1の舞台でも戦えれば、と思います。この子の成長に合わせて僕も成長していきたい」。自身初のG1制覇に向け、鮫島駿は改めての“二人三脚”を誓った。次走は未定だが、年末の2歳G1で、その夢はかなうかもしれない。(戸田　和彦)

　◆ジャンタルマンタル　父パレスマリス、母インディアマントゥアナ(父ウィルバーン)。栗東・高野友和厩舎所属の牡2歳。北海道千歳市・社台ファームの生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は4559万2000円。重賞初勝利。馬主は(有)社台レースホース。