デビュー9年目を迎える
坂井瑠星騎手(26)=栗東・矢作厩舎=が、2024年の野望に「海外G1制覇」を掲げた。昨年は初めて
JRA100勝の大台に到達。地方交流も合わせて自己最多の年間G1・4勝を挙げ、トップジョッキーの一人としての地位を確たるものにした。昨秋の連載コラム「Shooting Star」に続く単独インタビューで23年を振り返り、さらなる飛躍への決意を表明した。
―23年は自己最多の
JRA107勝。全国リーディングも22年から1つ順位を上げる自己最高の7位に浮上し、より存在感を増した一年だった。
「前の年が98勝で、『23年は最低でも100勝』という思いは、年明けからありました。まずは一年間けがなく、騎乗停止なく乗り続けられたのが良かったです。サウジアラビア、ドバイ(アラブ首長国連邦)、アメリカ、
オーストラリア、韓国と5か国行ったなかでキャリアハイを勝てたのは、自信になります」
―G1は地方交流の2勝を合わせ、年間自己最多の4勝。
レモンポップと
フェブラリーS、
南部杯、
チャンピオンズCを勝ち、自厩舎の
フォーエバーヤングで
全日本2歳優駿を制した。
「
レモンポップとの出合いが一番大きかったですね。
全日本2歳優駿で、楽しみな2歳(
フォーエバーヤング)にも出合えました。
フェブラリーSの次の週にはサウジアラビア(1351ターフス
プリント)で勝てて、夏の小倉リーディング、京都の年間リーディングも獲得。あと、念願のWASJ(
ワールドオールスタージョッキーズ)にも出場することができました。上半期はそこを目標にやっていましたし、楽しかったですね。全体的にはいい一年でした」
―とはいえ、充実した一年の中でも勝負の厳しさを痛感したレースがあったという。
「一番悔しかったのは
スプリンターズS(
マッドクールで2着)。もちろん負けた時はいつも悔しいですが、G1で鼻差負けは初めて。負けて改めて、勝たなきゃ意味がないと思いました。自分の技術不足、力不足を感じ、相当へこみましたね」
―「趣味=競馬」と自負するほどの競馬好き。一週間で唯一休める月曜日を含め、日常からレースでのコンディションを意識している。
「土日でいっぱい乗るので、(月曜は)なるべく回復に努めますね。寝られるだけ寝て、起きたら録画してある競馬のレースを見ます。それで3、4時間ぐらいかかりますし、あとは夜にご飯を食べに行くぐらい。平日はお酒も飲まないですし、飲むのは基本的に日曜だけです。なるべく元気で競馬に向かいたい、それしか考えていません。一番欲しいのは、走るのが速い馬と睡眠時間。あとは、お互い切磋琢磨(せっさたくま)できるような素敵な女性(笑い)」
―まさに競馬漬けの日々だが、今年は、見聞を広めるため「出会いの年」にしたいともいう。最もひかれるのは、やはりあの世界的スターだ。
「本当に競馬だけしか知らないので、他のスポーツや他の
ジャンルのいろんな人と出会って、話を聞いてみたいです。誰か一人を選べるなら、絶対に大谷翔平選手。記事や人伝いでしか話を聞いたことはありませんが、どういう意識を持って、どういうことを考えているのかは、すごく気になります。もう少し周りを見て、それを競馬に生かせるようになりたいですね」
―正月だからと言って、特別なことはしない。ただ、年が替われば成績はゼロからのスタート。現状に甘んじることなく、気を引き締めている。
「一昨年の年越しも寝ていましたし、周りが騒ぐほどそんなに盛り上がらないというか。何も変わらない普段の一日です。ただ、107勝したのがゼロになると思ったら…。いつ勝てなくなるか、怖さはあります。現状維持ではダメなので、常に上を目指しています。ここ何年かは毎年(成績が)上がってきているので、最低でも前の年の勝利数、勝率、連対率、複勝率は全部超えたいです」
―24年の目標には、尽きることのない向上心があふれる。
「100勝は最低ラインですが、数字はそこまでこだわりません。ひたすらうまくなりたいし、いい馬に出合いたい。今年と同じで、一年間通して乗ることと、ひたすら勝ち続けることでいい馬に出合いたいです。まだまだ(リーディングで)上に6人いるので、一つでも上に行けるように。あとは海外のG1は勝っていないので、そこはチャレンジしたいです」
―若手騎手の中では、圧倒的に豊富な海外経験を積んできた。もちろん、世界
トップレベルでの活躍を夢見るからこそ。その一方で、所属する矢作厩舎への恩返しも目指すものの一つだ。
「世界中のビッグレースで『乗ってくれ』と呼ばれるようなジョッキーになりたいです。あと矢作厩舎で地方のG1は勝ちましたが、中央のG1は勝てていません。勝てたら、それが一番うれしいですよね」(聞き手・水納 愛美)
◆坂井 瑠星(さかい・りゅうせい)1997年5月31日、東京都生まれ。26歳。16年3月に栗東・矢作厩舎からデビュー。19年報知杯
フィリーズレビュー(
ノーワン)で、同着での重賞初制覇を果たす。
JRA通算401勝、重賞14勝(うちG1・4勝)。海外では
バスラットレオンに騎乗した22年ゴドルフィンマイル・G2(ドバイ)、23年1351ターフス
プリント・G3(サウジアラビア)で重賞2勝。交流重賞は5勝(うちG1・3勝)を挙げている。170センチ、48キロ。
2024/1/1 10:49
武史と同じで差しに課題あるからな
ベテランの騎手(特に外人騎手)見てそこは改善していってくれ
ミスタージーティーの騎乗は2023年でもワースト5に入るほど酷かった
差し・追い込みはどうしても周りの動きやペースの読みが必要やから競馬オタクのとこを活かしてくれ
まだ期待はしているぞ!!!