【シンザン記念】ノーブルロジャー重賞初V アーモンドアイも勝った出世レースで末脚爆発

スポニチ

2024年01月09日(火) 05:23

<京都11R・シンザン記念>外から一気に差し切ったノーブルロジャー(中央) (撮影・亀井 直樹)

 3歳重賞「第58回シンザン記念」が8日、4年ぶりに京都競馬場で行われ、川田将雅(38)騎乗の3番人気ノーブルロジャーが直線外から差し切り、デビューから連勝で重賞初制覇を飾った。管理する吉岡辰弥師(47)はJRA重賞3勝目。6日のスポニチ賞京都金杯を制した中竹和也師(59)に続いて“年男トレーナー”が京都の重賞を制した。

 名手にはVロードがはっきり見えていた。川田騎乗のノーブルロジャーは直線外へ。開幕週の馬場で内有利がセオリーだが、鞍上は冷静にパートナーをエスコート。内から迫ったルメール騎乗の1番人気エコロブルームを振り切り、重賞初Vのゴールに飛び込んだ。

 24年の重賞初制覇を飾った川田は「全体的にも馬場は変わらない中で、開幕日からみんな内を使ってきていましたので、あえて外を選びました。なかなか大変なところを回りましたが、能力の高さを見せてくれたレースだったと思います」とパートナーを称えた。

 レースは唯一の重賞勝ち馬ゼルトザームが引っ張り、後続も離れず馬群が密集する展開。時計がかかる馬場で前半3F通過34秒3は速い流れだった。「みんな出入りの激しい形になり、ポジション争いもなかなか簡単には収まらない中であのポジションに。そこからレースを組み立てようと思いました」。好位直後から徐々に外めに進路を取り、直線で末脚を爆発させた。

 同じパレスマリス産駒ジャンタルマンタルも川田を背に昨年の朝日杯FSを制覇。父は今シーズンからダーレー・ジャパン(北海道日高町)で供用されることになった。鞍上は「似ている部分も多く感じました。とてもいい種馬だなと思いますし、この馬も重賞馬になれて良かったです」と勝利をかみしめた。

 これでデビューから2連勝。管理する吉岡師は「体重(8キロ増)も増えて成長分。筋力がアップした」と、この2カ月間での成長に目を細める。指揮官は3月2日に48歳となり、6日のスポニチ賞京都金杯コレペティトールで制した中竹師に続く年男トレーナーによる京都の重賞制覇。「重賞を勝てて良かったです。今年はより内容にこだわって頑張っていきたいと思います」と抱負を述べた。

 18年アーモンドアイなど数々のスターホースが制したG1への登竜門。今後について、指揮官は「距離に関してはジョッキーともすり合わせて考えたい。ジャンタルマンタルを倒しに行きたいですね(笑い)」と意気込んだ。年明けの出世レースから楽しみな逸材が誕生した。

 ◇吉岡 辰弥(よしおか・たつや)1976年(昭51)3月2日生まれ、京都府出身の47歳。93年7月から栗東・藤岡範厩舎で調教助手を務め、08年3月に角居厩舎へ。担当馬サートゥルナーリアで18年ホープフルS制覇、19年に調教師免許を取得、20年3月に厩舎を開業。同年はJRA14勝、21年はスマッシャーユニコーンSジャスティンロック京都2歳Sを含む27勝、昨年38勝でキャリアハイを更新した。昨年の浦和記念名古屋グランプリと交流重賞を連勝中のディクテオンも管理。「角居厩舎で学んだことがベース」と話す。JRA通算883戦102勝。

 ノーブルロジャー 父パレスマリス 母ノーブルレディ(母の父モアザンレディ)21年5月8日生まれ 牡3歳 栗東・吉岡厩舎所属 馬主・ノルマンディーサラブレッドレーシング 生産者・米国のキャンディメドウズ社 戦績2戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金4885万1000円 馬名の由来は気高い+人名より。

 

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