「天皇賞(春)・G1」(28日、京都)
好位を進んだ単勝1番人気の
テーオーロイヤルが直線で力強く抜け出し、重賞3連勝でG1初勝利を飾った。13年目の
菱田裕二騎手(31)=栗東・岡田、そして管理する
岡田稲男調教師(63)=栗東=はともに、うれしいJRA・G1初勝利となった。2着は5番人気
ブローザホーン、3着には6番人気
ディープボンドが入った。なお、勝ち馬と単勝は同オッズながら2番人気の
ドゥレッツァは15着と大敗した。
有無を言わさない走りで、悲願のG1初制覇を決めた。
テーオーロイヤルが直線入り口で早々と先頭に立ち、そのまま後続を寄せ付けず完勝。長距離重賞3連勝で頂点に立ち、名実ともに長距離王の称号を手に入れた。
「4コーナーを回る時、20年前ここに見に来たあの時の自分に、“見ておいてくれ”という気持ちで追っていました。本当に今まで生きてきて、一番うれしいです」。昨春の京都競馬場
リニューアルオープン以降、最多となった6万人超の声援を受けたヒーローは、笑顔で至上の喜びに浸った。
京都府出身の菱田が初めて競馬場を訪れたのが、04年の
天皇賞・春だった。心を動かされ、その時、騎手を志すことを決めた。
イングランディーレが大逃げで制したレース。今回も当時と同じ、横山典が
マテンロウレオでハナを奪った。
前半1000メートル通過が59秒7と長距離戦にしては速いペースだったが、展開や他馬の動向は気にせず、ひたすら相棒のリズムを尊重した。前日に四位師にアド
バイスをもらい、「2周目の下りをいい感じで回って来られれば」と仕掛けどころだけは注意。十分な勢いを持って直線に向かうと、横綱相撲で押し切った。
22年目で念願のJRA・G1勝利をつかんだ岡田師は「絶好の位置で運んでくれた。状態も良かったし、安心して見ていられたけど、内心は…」と心の内を明かす。ただ、直線で抜け出した場面では、声をからすのではなく、「何ちゅう馬や!」と
ロイヤルのあまりの強さに感嘆していた。
「きょうも、上がってきて、本当に走ったという息遣いではなかった。すごい心肺機能。まだこの馬は良くなる」。春の大目標だった盾を手にしながらも、まだまだ通過点と言わんばかりの表現で、愛馬の
タフネスぶりをたたえた。
デビュー13年目に突入した菱田だが、今でも岡田厩舎に所属。いつか師匠の馬でG1を-その大願は見事に成就した。「岡田厩舎の馬でG1を勝てたのは本当にうれしい。また向上心を持って、騎手としての技術を高めていきたいです」。大きな夢をかなえた人馬は慢心することなく、新たなドラマへと突き進む。
【
アラカルト】
☆菱田 JRA・G1は30回目の騎乗で初勝利。これまでは22年
天皇賞・春の3着(
テーオーロイヤル)が最高
☆岡田師 JRA・G1は延べ32頭目の出走で初勝利。ダートのJpn1は3勝している。これまでは09年
朝日杯FSの
エイシンアポロンの2着が最高だった
☆
リオンディーズ産駒 JRA・G1は産駒延べ14頭目の出走で初勝利
☆馬主・小笹公也氏 JRA・G1勝利は21年チャンピオンズC(
テーオーケインズ)以来、通算2勝目
☆生産牧場・三嶋牧場 JRA・G1勝利は23年
高松宮記念(
ファストフォース)以来、通算3勝目
2024/4/29 9:08
この馬の母(メイショウオウヒ)も兄(メイショウハリオ)も弟妹も、一族まるごとメイショウさんの持ち馬なのに何故この馬だけ売ったのが摩訶不思議だ