【宝塚記念】ドウデュース95点 素晴らしい加速力生む筋肉のボリューム

スポニチ

2024年06月18日(火) 05:30

ドウデュース

 ◇鈴木康弘氏「達眼」馬体診断

 上半期のG1を締めくくるのは3強ボディーだ。鈴木康弘元調教師(80)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第65回宝塚記念(23日、京都)ではドウデュースジャスティンパレスベラジオオペラの3頭をトップ採点した。中でも達眼が捉えたのはドウデュースのボリュームアップした筋肉。秋春グランプリ制覇が見えてきた。

 体形は年齢を重ねるにつれて変化していくものです。加齢とともに基礎代謝が低下するため、放っておくと脂肪が増えて体形まで崩れてしまう。肩で着ていたスーツを腹で着るようになったメタボ諸氏も見かけます。現役の競走馬はそこまで体脂肪を増やしませんが、筋肉や骨格の成長で体形が変わることがある。たとえばディープボンド。年を重ねるごとに胴が伸びやかになり、ますますステイヤー色の強い体形になっています。

 対照的にドウデュースは中距離からマイル仕様の体形に変わってきた。ダービー優勝当時とは別馬のような筋肉のボリューム。肩や首、胸前、トモが岩のように隆起しています。素晴らしい加速力を生み出す半面、長い距離をゆったりと走るには邪魔になる、強過ぎる筋肉です。

 昨年の有馬記念は位置にこだわらず折り合いに専念した武豊騎手の好騎乗で勝てましたが、2500メートル向きの体形ではなかった。それから半年、首とトモの筋肉はますます厚みを増して、胴が詰まって見えるほどです。宝塚記念の2200メートル戦は有馬記念よりも戦いやすい舞台。今後はさらに距離を詰めたくなるような体形に変わると思う。それがドウデュースの進化形なのでしょう。

 体調には陰りがありません。抜群の毛ヅヤ。休養明けの分、腹周りには少し余裕がありますが、メタボ諸氏のおなかとは違う。何年もジム通いを続けずとも、今週のひと追いで引き締まってくるでしょう。顔つきは穏やか。ハミ受けにも余裕があります。ドバイ遠征のダメージはどこにも見当たりません。有馬記念からの距離短縮を味方に秋春グランプリ制覇へ。ファン投票1位にふさわしい馬体です。 (NHK解説者)

 ○…前回、達眼が馬体診断をした安田記念は香港から来日した勝ち馬ロマンチックウォリアーを「オールマイティーな体形」からマイルにも対応可能とみて「120点がふさわしい」と満点超えの断トツ評価。2着ナミュール、3着ソウルラッシュはともに100点満点をつけ、採点上位3頭で決まるドンピシャジャッジとなった。さあ、G1連続ヒットへ。サマーグランプリも達眼にお任せあれ。

 ◇鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の80歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70〜72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94〜04年に日本調教師会会長。JRA通算795勝。重賞27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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