【函館2歳S】来年定年田中厩務員 ヒデノブルースカイと臨むラスト函館

スポニチ

2024年07月12日(金) 05:16

ヒデノブルースカイと担当の田中一征厩務員(右)

 年月が過ぎ去る早さを人物の去就で感じることがある。かつて伊藤雄二厩舎でG1馬エアグルーヴファインモーションを担当した田中一征厩務員が来夏に65歳定年を迎える。競馬史を彩った2頭も「ウマ娘でしか知らない人も多くなってきたんじゃないですか」と田中厩務員が言うように10年をひと昔と区切るなら、ふた昔も前の活躍馬。

 「僕は今年がラストの函館。重賞に使える馬がいるのがうれしいですね」

 函館2歳Sに挑むヒデノブルースカイのことで、ルーキー高杉が新馬戦の斜行で騎乗停止を科された件も知っておきたい出来事だ。

 前走後も函館で調整。田中厩務員は「5週間もここにいるので、紆余(うよ)曲折ありましたが無事に出せそうです」と言えば、18歳の鞍上は「毎日、乗っています。気性は前向きで勝負根性もあるのは分かっています」とPRする。

 田中厩務員の趣味はスポーツ観戦。00年シドニー五輪は「当時は有給休暇を使うのはひんしゅくの時代」と苦笑いしつつ柔道の井上康生がオール一本勝ちで金メダルを獲得したシーンと女子マラソンの高橋尚子の金メダルも「スタジアムにいました」と宝物の記憶だという。勝負運の強さを証明!?したわけで「来年の今頃は定年を迎えているし、ドジャースタジアムで大谷翔平を見ているかも」と笑う。生粋の観戦オタクだ。

 ヒデノブルースカイが激走すれば腕利きの仕上げに感心し、同時にルーキーの度量も称えたい。そうなることを願う。

 ◇田中 一征(たなか・かずゆき)1960年(昭35)7月18日生まれ、大阪府泉大津市出身の63歳。高校卒業後にスポーツ用品メーカーのゼットに入社。その後、離職して一念発起。JRA競馬学校の厩務員課程を経て83年から伊藤雄二厩舎、07年から梅田智之厩舎に従事。エアグルーヴ(96年オークス、97年天皇賞・秋V)、ファインモーション(02年秋華賞エリザベス女王杯V)と歴史的な名牝を担当した。趣味はスポーツ競技の現地観戦。

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