「小倉記念・Ｇ３」(１１日、中京)

　暑さに強く、夏に調子を上げる牝馬のファユエン。全４勝中３勝が５〜７月のものだ。勢司師は「冬場は体が硬くなりやすいが、夏場にはそれがない。暑さには強いんですよ」と今の気候を体質面でプラスと捉える。

　その証拠に１週前の美浦Ｗでの追い切りでは、活気十分の動きを披露。サイモンソーラン（２勝クラス）を４馬身追走から、最後は強めに追われて６Ｆ８６秒７-３７秒８-１２秒１で併入した。「外を回ってこの時計なら十分。いい動きでした。状態はいい」と納得顔だ。

　前走のマーメイドＳは１５番人気ながら４着と奮闘。「展開がハマれば、前走（メンバー最速の上がり３Ｆ３３秒８）くらい走っても不思議ない。そこは騎手（菊沢）がよく分かっているから。中京は（３戦２勝と）実績がありますしね」とコース相性にも期待を寄せる。

　馬名のファユエンは中国語で「花園」を意味する。父の母はフラワーパーク、祖母は９５年エリザベス女王杯勝ち馬のサクラキャンドルと、母系にはそうそうたるサクラの名馬たちが並ぶ名牝系の出身だ。その系譜に名を連ねる意味でも、ここで重賞タイトルをきっちりと物にする。