◆第44回新潟2歳S・G3(8月25日、新潟・芝1600メートル、良)

　第44回新潟2歳S・G3は25日、新潟競馬場の芝1600メートルで争われ、6番人気のトータルクラリティが優勝。世代2頭目の重賞ウィナーに上り詰めた。

　残り400メートルで先頭に立ったトータルクラリティは左に張りながらも懸命に末脚を伸ばす。その外から忍び寄るコートアリシアンに一度は完全に先頭を譲ったものの、懸命に食らいついてグイッともうひと伸び。最後は完全に前に出て半馬身差をつけて重賞タイトルをつかみ取った。北村友は「瞬発力勝負よりしぶとさを生かした方がこの馬の良さが出てくれると思った」と気持ち良さそうに汗をぬぐった。

　道中でピタリと折り合いがついたことが最後のひと押しにつながった。好発から3、4番手の外めを確保。2着馬が折り合いに苦心するなか、実にスムーズな競馬。「返し馬のテンションが高かったので、どのポジションで抜いて走れるかでしたが、一番いいポジションで折り合って進めることができた」と鞍上は安どの表情を浮かべてレースを振り返った。

　昨年勝ったアスコリピチェーノは2歳女王に輝き、桜花賞とNHKマイルCで2着。21年VのセリフォスもマイルCSを勝つなど、G1ホースへの“登竜門”ともいえるレースを制し、大きな賞金加算となった。「テンションが高いところがもう少し大人になってくれれば、背中のいい馬だし活躍できる馬だと思う」と北村友。2戦2勝と底を見せないバゴ産駒はさらなる高みを目指す(石行　佑介)

　◆トータルクラリティ　父バゴ、母ビットレート(父スペシャルウィーク)。栗東・池添学厩舎所属の牡2歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算2戦2勝。総獲得賞金は3858万5000円。重賞初勝利。馬主は(有)キャロットファーム。