3連単は1098万2020円! 700万超えの桜花賞を上回る波乱が起きた秋華賞

2024年10月09日(水) 07:30

08年の秋華賞を制したブラックエンブレム(08年10月撮影、ユーザー提供:グロリアスさん)

 08年の秋華賞は歴史的な波乱となった。1着は11番人気のブラックエンブレム、2着は8番人気のムードインディゴ、3着は16番人気のプロヴィナージュで決着。3連単は当時のGI史上最高配当となる1098万2020円だった。そんな一戦を回想したい。

 レース前から混戦模様だった。1番人気は3.6倍でオークス馬のトールポピー、2番人気は4.0倍で桜花賞馬のレジネッタ。単勝オッズ1桁台は2頭のみ。しかし、前哨戦のローズSではそれぞれ6着、3着に敗退しており、決して2強ムードではなかった。

 レースはエアパスカルの逃げで幕を開けた。そして向正面ではプロヴィナージュが先頭へ。前半1000mは58秒6だから、やや速めの流れだ。中団から後方で脚をためるトールポピーレジネッタには悪くない展開に思えた。ところがレース終盤、多くのファンが想像していない光景が待っていた。16番人気のプロヴィナージュが粘りに粘る。後続はどうか。人気馬の脚色はさえない。残り200mを切って内から伸びてきたのは11番人気のブラックエンブレム、さらには外から8番人気のムードインディゴが迫ってくる。最後はブラックエンブレムムードインディゴの追い上げを半馬身抑え、先頭でゴール。馬単の5万2130円、3連複の186万9680円、3連単は1098万2020円と同年桜花賞の700万2920円を超える額をたたき出した。これらは、いずれも未だにレース史上最高配当となっている。

 ブラックエンブレムは春のフラワーCで重賞ウイナーの仲間入りを果たしたが、栗東滞在の桜花賞が10着、オークスが4着と涙を飲んでいた。そして再び栗東滞在で臨んだ秋初戦のローズSも15着。忘れ去られた存在になりかけていたが、陣営が綿密なケアを施し、立て直しに成功。ようやくつかんだ悲願のGIタイトルだった。

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