JRA審判部長 昨年5月の厳重注意を公表しなかった理由「指導であり注意。施行規程上の処分ではない」

スポニチ

2024年10月11日(金) 16:53

藤田菜七子

 JRAは11日、騎手として重大な非行があったとして騎乗停止となり、引退届を提出した藤田菜七子騎手(27=美浦・根本)を巡る一連の報道と処分について説明。騎手免許の取消申請を受理したと発表した。

 藤田を巡っては、10日発売の週刊文春が藤田の通信機器不正使用を報道。JRAは9日午後5時頃に本人と連絡を取り、通信機器の使用の有無を藤田に事情聴取をしたところ、他者との通信を認めた。本人に11日からの一時騎乗停止処分を伝えた際に、引退の意思を伝えられた。10日付で騎手免許取り消し願いを受け取り、この日受理。「藤田菜七子 騎手の引退」を正式発表した。

 昨年5月に若手騎手6人(今村聖奈永島まなみ古川奈穂小林美駒河原田菜々、角田大河=すでに引退)が騎手控室、調整ルーム居室で通信機器(スマートフォン)を使用したことが発覚、30日間(開催日10日間)の騎乗停止処分を受けていた。今年5月にも水沼元輝、今月には永野猛蔵、小林勝太が同様の違反で騎乗停止となっている。松窪隆一審判部長は藤田の騎乗停止処分について「当時の聴き取り調査では、他者との通信はしていないと言っていたが本当はそういうことがあった。虚偽の申告をしていたことが大きかった」と語った。

 また、1回目(昨年5月)の聴き取り調査での厳重注意を公表しなかったのはなぜかを問われると、同審判部長は「指導であり注意。施行規程上の処分ではないので。こういう場合は藤田騎手にかかわらず名前を公表することはない」と説明した。

 師匠の根本康広師が11日に美浦トレセンで報道陣に対応した際には「(昨年5月の)若手騎手6人のスマホの件の時、菜七子は以前に、そういう通信機器を使っていたことをJRAに自ら報告をしている。そして、その際に口頭で厳重注意を受けている。それが週刊誌の報道で、また処分を受ける形となってしまった。本人も納得がいかない部分があると思う」と説明していた。

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