【秋華賞】チェルヴィニア2冠達成 樫の女王は世代牝馬最強の頂へ 次は現役最強 JCで古馬撃破へ

デイリースポーツ

2024年10月14日(月) 06:00

 集団から抜け出し、一気に加速するチェルヴィニア(右手前)=撮影・今井雅貴

 「秋華賞・G1」(13日、京都)

 1番人気のチェルヴィニアが直線一気に差し切り、オークスに続く牝馬2冠を達成した。今年のJRA・G1はスプリンターズSまで全て異なる騎手が勝利していたが、クリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー=が初めて複数勝利を飾ることとなった。レース後、オーナーであるサンデーレーシングの吉田俊介代表はジャパンC(11月24日・東京)参戦を視野に入れていることを明かした。2着に5番人気のボンドガール、2番人気の桜花賞ステレンボッシュが3着を確保した。

 ラスト1冠を前にしても決して慌てることはなかった。オークスを勝ち、1番人気に支持されたチェルヴィニアが牝馬3冠最終戦を完勝。堂々とG1連勝を果たした。

 レースは大外枠からセキトバイーストが後続を引き離して飛ばした。スタートを決めたチェルヴィニアは離れた馬群の中で落ち着いて運ぶ。少しずつ逃げ馬との差が詰まり、直線でスペースができるとスッと抜け出し、ゴールへ飛び込んだ。ルメールは「いいポジションを取れましたし、自分のリズムで走りました。冷静に走ったら最後はいい加速をすることができるので直線は届くと思っていました」と胸を張った。

 万全の態勢で挑んだ一戦だった。夏を越して背丈が伸び、肉付きも良くなるなど、細かな馬の変化を見逃さなかった厩舎の精度の高い調整がベストコンディションに導いた。「パドックから良く見えたし、返し馬でもいい脚を使ってくれました。ゲート裏で勝つ自信がありました」とルメールは早々と勝利を確信していた。木村師も「春は本来のコンディションに持っていけなかったので、秋はまずは健康にしてあげたいと思っていました」とうなずいた。

 今後は年長馬や牡馬との戦いが待っている。師は「秋は1回だけにとどまらず、状態をしっかり見てからですが、可能であれば使いたい。お兄さん、お姉さんに立ち向かっていければ」と語る。サンデーレーシングの吉田代表は「馬の状態が良ければジャパンCへ」と方向性を示した。

 ルメールも「距離も持つし、能力もあるので何でもできると思います。大人になったから牡馬と戦っても問題ない。けがをしなければまたG1を勝てると思うし、レジェンドホースになることを期待しています」とさらなる活躍に目を輝かせた。世代牝馬のトップから現役最強へ。この秋、まだまだ楽しみは尽きない。

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