忘れられないアドマイヤラクティ豪G1制覇

スポニチ

2024年10月18日(金) 05:05

【競馬人生劇場・平松さとし】土曜(19日)、オーストラリアではコーフィールドC(G1)が行われる。2014年、これを制したのがアドマイヤラクティ(栗東・梅田智之厩舎)だ。

 この年は10月18日がレースの日。しかし、管理する梅田調教師をはじめとしたスタッフは事前に競馬場を訪れていた。日本と違い豪州では装鞍所を兼ねた出張馬房もファンが自由に見られる。そこでなるべく人馬の往来が少ない位置にある馬房を選択し、そこに入れるように交渉したのだ。また、馬房の壁がむき出しになっているのを確認すると、周囲にゴムを張り巡らしてもらった。万が一、蹴飛ばされても大事に至らないように、事前に手を打ったというわけだ。

 競馬当日、梅田師はコースに隣接するパドックからアドマイヤラクティを本馬場へ送り出した。そして、そのままパドックに残って近藤利一オーナーと一緒にレースを観戦した。「オーナーと並んで観戦することは、日本ではまずありません。結果が悪いと困るな、なんて思いながら見ていました」

 結果、Z・パートン騎手にいざなわれたアドマイヤラクティは堂々と抜け出し、見事に優勝してみせた。「私にとってもこれが初めてのG1制覇でしたし、オーナーも凄く喜んでくださり、忘れられない思い出になりました」

 しかし、アドマイヤラクティはそれからわずか2週間ほど後に挑戦したメルボルンC(G1)でしんがり22着に敗れると、レース直後の馬房で倒れ、唐突に星になってしまった。「馬房に戻り、誰にも迷惑をかけない環境になってから倒れました。レース中、どれだけ頑張っていたのかと思うと、本当にかわいそうで…」。当時、梅田調教師はそう言って口をつぐんだ。あれからはや10年。近藤オーナーもすでに鬼籍に入った。

 そんなコーフィールドCに今年はワープスピード(美浦・高木登厩舎)が挑戦する。私も現地での観戦を予定している。もちろん、勝ち負けしてくれるに越したことはないが、まずは無事に走り切っていただきたい。 (フリーライター)

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