きょうメルボルンC開催 デルタブルース日本馬初の偉業を回想

2024年11月05日(火) 07:30

06年のメルボルンCを制したデルタブルース(06年11月撮影、ユーザー提供:ギャルソンさん)

 10月8日に死んだデルタブルースは、日本調教馬として初めてメルボルンカップを制し、豪州の最優秀長距離馬に選ばれた名馬だ。メルボルンCが行われるこのタイミングで06年の激闘を振り返りたい。

 デルタブルース父ダンスインザダーク母ディクシースプラッシュ、母の父Dixieland Bandの血統。03年に当時開業3年目の角居勝彦厩舎からデビューした。勝ち上がりに6戦を要したが、3歳春から中長距離戦に専念すると軌道に乗る。格上挑戦した菊花賞は8番人気の低評価だったが、早めスパートから堂々の押し切り。馬はもちろん、角居勝彦調教師、岩田康誠騎手と揃ってのGI初制覇を果たした。

 その後は4歳時にステイヤーズSを制したが、GIタイトルには手が届かず。そこで5歳秋に豪州遠征を敢行することとなった。初戦のコーフィールドCは3着。そして迎えた一戦がメルボルンCだった。大挙23頭が参戦。岩田康誠騎手に導かれたデルタブルースは好スタートから2〜3番手につける。ペースが遅いと見たのか、鞍上は早めに手綱を動かし、残り400mで早々と先頭へ。外から同厩舎のポップロックが追い上げてきたが、僅かにアタマ差凌いで、歴史的な1勝を挙げたのだった。

 この一戦で力を使い果たしたのか、これが最後の勝利となったデルタブルースだが、日本競馬史に残した功績は大きい。引退後はノーザンホースパークで障害飛越競技用馬としても活躍。他の誰にも真似できない、個性的な歩みを見せた名馬だった。

 5日開催の今年のメルボルンCにはワープスピード(牡5、美浦・高木登厩舎)が参戦予定。デルタブルースに続く2頭目の日本馬の快挙を期待したい。

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