【ファンタジーS】レースが取りやめになるほどの豪雨…極悪の不良馬場で「作戦通り」鼻差勝利をつかむ

スポーツ報知

2024年11月03日(日) 06:30

3頭横並びの接戦を制したダンツエラン(手前)

◆第29回ファンタジーS・G3(11月2日、京都競馬場・芝1400メートル、不良)

 東西で2日、2歳重賞が行われ、第29回ファンタジーS・G3(京都)は極悪の不良馬場のなか、大接戦を制したダンツエランが重賞初制覇。栗東・本田優調教師は、桜花賞レーヌミノル以来の管理馬の2歳重賞制覇となった。

 飛び交う土の塊も、ぬかるんだ芝も、ものともしなかった。8Rが取りやめになるほどの豪雨に見舞われた京都。極悪馬場の直線は3頭の追い比べ。ダンツエランが粘り強さを発揮し、鼻差だけ前に出たところがゴールだった。「最後はつらくなりましたが、今日の馬場もこなしてくれました」。泥がはねた勝負服で、団野が相棒をねぎらった。

 道中は6番手。序盤はやや力んだが、じっくり脚をためた。4角から、他馬より少し早い仕掛けで進出。団野がムチを入れるともう一段階ギアを上げ、大外からロングスパートを繰り出した。本田調教師は「作戦通り」とニヤリ。「馬場が悪いので、いいところを通るように言った。うまいこと乗ってくれた」と24歳の手腕をたたえた。

 本田師は19年毎日杯(ランスオブプラーナ)以来の重賞制覇。2歳重賞は16年小倉2歳S以来の2勝目で、その勝ち馬レーヌミノルは翌年桜花賞を制した。「レーヌは使う前から大物感があった。この馬もそれなりに走ってくるとは思っていたけど、これからだね」としつつも、「クラシックを勝てれば言うことはない」と期待を込める。この後は阪神JF・G1(12月8日、京都)を視野に調整。暮れの淀で、根性娘が再び輝く。(水納 愛美)

 ダンツエラン 父ロードカナロア母ミスチヴァスミスティ(父イントゥミスチーフ)。栗東・本田優厩舎所属の牝2歳。北海道浦河町・宮内牧場の生産。通算3戦2勝。重賞初勝利。総獲得賞金は3947万2000円。馬主は山元哲二氏。

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