土曜付企画「G1展開王」は数多くある予想
ファクターの中から、展開面にスポットを当てて勝ち馬をあぶり出していく。伝統ある2歳マイル王決定戦「
朝日杯FS」を担当するのは大阪本社・栗林幸太郎記者。コース適性と展開面がぴったり合いそうな
トータルクラリティを猛プッシュする。
阪神JF同様に今年は京都が舞台。今秋、当地が使用されて11週目で馬場の傷みが目立つ。まずはここまでの馬場傾向を探ってみたい。
10月以降、当舞台(外回りのみ)は9鞍行われ、4角2~5番手が6勝。9番手以降の勝利は
マイルCSと阪神JFのみ。一方、4角先頭は1勝。逃げ、差し、追い込みより好位で運んだ馬が有利に進めている。先週日曜の京都芝は5鞍中4鞍で4角2番手が勝利。距離を問わずに先行勢優位のトラックバイアスになっている。
ロングラン開催だけあって、ほとんどの馬が荒れている内側を避けて4角は大回りしている印象で、直線のコース取りが重要。Cコースに替わってからはこれが顕著に表れ、コーナーで膨れる大外差しは決まりづらくなっている。直線、馬場の4分どころの
グリーンベルトを通った先行馬の台頭が目立つ。今週からDコースに替わり、仮柵が3メートル外に移動。芝は全体的に傷みがあるとはいえ、コース替わりは先行勢にとって追い風になりそうだ。傾向通りに好位で運べる馬を狙う。
◎は
トータルクラリティ。新馬戦は折り合いを欠きながらも最後は外を伸びて勝利。進境がうかがえたのが前走
新潟2歳S。前に馬を置かなくても、うまく折り合いをつけることに成功。気性面に改善が見られた。直線4番手から抜け出すと内にもたれ、2着馬にいったん前に出られたが、鞍上の左ステッキに応えて内から伸び返して重賞勝ち。粗削りな面は否めないがポテンシャルの高さを示した。3角過ぎから下り坂がある当舞台はロングスパート合戦になりやすく、長く脚を使える同馬に適しているコース。内回りとはいえ、新馬戦で京都マイルを経験しているのも大きい。前走で見せた勝負根性は多頭数の混戦でこそ生きてくる。
差し、追い込み脚質の有力どころは、どうしても展開次第の面がある。果敢な先行馬はいるが、スタート直後の上り坂に加えて3角まで直線が長く、さほど速い流れにはならず、平均ペースか。
トータルクラリティはゲートが良く、スピードもあるだけに、好位の4~5番手あたりを確保できる。下り坂で勢いをつけながら加速。スムーズなコーナリングで
グリーンベルトを確保、さらにギアを上げてゴール前、抜け出す。21年
ドウデュース、22年
ドルチェモア、23年
ジャンタルマンタルに続く無敗の2歳マイル王の誕生だ。
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