24年
中央競馬の総決算「第69回
有馬記念」(22日、中山)の最終追い切りが18日、東西トレセンで行われた。今回がラストランとなる現役最多G1・5勝の
ドウデュースは、栗東ポリトラックコースで軽やかな走り。有馬スペシャル調教評価(折り合い、切れ味、タイムを5つ星評価)でも満点獲得だ。00年
テイエムオペラオー、04年
ゼンノロブロイに次ぐ史上3頭目の秋古馬3冠、そして有馬連覇で有終の美へ、万全の仕上がりだ。同レースは19日に出走馬、枠順が確定する。
最後の追い切りを終えた
ドウデュースをコース出口で出迎えた
武豊。騎乗した前川助手がその姿を見つけるや馬上から声をかけた。
「完璧ですよ!」
チーム・
ドウデュースに笑顔が広がった。最後のバトンを受け取るレジェンドは「いよいよだな、と。いい緊張感がある」と表情を引き締めた。
必勝ルーティンを崩さなかった。現役最後の追い切りもポリトラック。
バズアップビート(2歳未勝利)を3馬身先行させ、直線半ばで内から馬体を並べる。ギアは本番まで温存しながらラスト1F(200メートル)11秒5。楽々と併入した。
1週前追いで
武豊を背にCWコースを駆け抜け、レース当週にポリトラックで総仕上げ。G1・5勝は全てこのパターンだ。「1週前は気持ち良さそうに、今日は余力十分に最後まで走れていた。
ジャパンCの出来は十分にキープしている」と友道師。“過去最高”と銘打った前走と並ぶ、究極の仕上がりだ。
8度の敗北、宿敵
イクイノックスとの名勝負、最高の鞍上、末脚特化のドラマチックな脚質。その主人公気質に魅了されたファンは数知れず。厩舎には連日、ファンレターや贈り物が届く。ファン投票では過去最高の約48万票を獲得。相棒への思いを問われた
武豊は「50歳を過ぎてこういう馬に巡り合えて楽しかったし励みになった。凄くうれしいこともあったが、悔しい思いも何度も何度もあって…。でも、そのたびにまた勝ってくれて。勇気をもらえることも多かった」。友道師も「まだ豆タンクのよう」だったという1歳1月当時の出合いを回想し「レースを走るたびに一つ一つ強くなった。調教師を20年以上やってきて、こんなに成長してくれる馬は初めて」と最大限の賛辞で敬意を表した。
天皇賞→
ジャパンC→有馬の秋古馬3冠は04年
ゼンノロブロイから19年間、有馬連覇は02、03年
シンボリクリスエスから20年間達成されていない。壁は低くないが「いろいろなことを乗り越えてきてくれた馬なので」と
武豊。信じる剛脚が最後の中山を熱狂に包む。
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