【有馬記念】ドウデュース 計算通り“静”のリハで偉業達成へ 友道師「十分出来キープ」万全アピール

デイリースポーツ

2024年12月19日(木) 06:00 0 4

 栗東DPを文句なしの動きで駆け抜けたドウデュース(手前)=撮影・石井剣太郎

 「有馬記念・G1」(22日、中山)

 泣いても笑っても最後となるレースへ、万全の態勢は整った。昨年の覇者ドウデュースが18日、栗東DPで最終追い切りを行い、馬なりで6F82秒5-37秒4-11秒6をマーク。併せた僚馬と併入した。最後の追い切りを見守った友道康夫調教師(61)=栗東=は予定通りの動きにうなずき、会見を行った武豊騎手(55)=栗東・フリー=も「結果で応えたい」と気合十分。多くの競馬ファンを魅了したスターホースが、最高のフィナーレを飾る。

 王者最後の追い切りを、スタンドの皆が固唾(かたず)をのんで見守った。今回がラストランとなるG1・5勝馬ドウデュースは、近2走や昨年の有馬記念と同様のパターンで栗東DPに登場。道中はバズアップビート(2歳未勝利)の後方でピタリと折り合いをつけ、直線は僚馬の内へ。乗り手が手綱を少し緩める程度だったが、楽々と並び掛けフィニッシュした。

 刻んだタイムは6F82秒5-37秒4-11秒6。併入だったこともあって派手さはなく、どちらかといえば“静”のリハとなったが、これは計算通り。一連の動きを見届けた友道師は「単走だと時計が出てしまいやすいので、前に馬を置いて。無理させないように乗ってきましたが、余力十分に最後まで来て、きょうも良かったと思います」と力強くうなずいた。

 勝てば史上5頭目の連覇。そして、史上3頭目となる秋の古馬3冠達成だ。今年も同じローテで年末の大一番に挑むが、天皇賞・秋ジャパンCを勝ってきたという点は昨年と大きく異なる。指揮官は「去年もそうでしたが、使いつつ良くなってくる馬。今年も天皇賞からジャパンCと良くなって、そこから間隔もそんなにありませんし、十分に出来はキープできています」と万全をアピール。そして「私の記録(IRA年間最高獲得賞金)は関係なしに、ドウデュースが秋3冠、有馬記念の連覇をしてくれればいいなと思っています」と偉業達成に力を込めた。

 ファン投票では歴代最多となる47万8415票を獲得。名実ともに現役最強の座を確固たるものにした。師は「日頃から手紙や贈り物を頂いて、ファンの多い馬だなとありがたく思っていました。史上最多得票で最後のレースに向かえるのは厩舎としても感謝しています」と、調教師冥利(みょうり)にふけった。

 “レジェンド”武豊に「自分の中でも中心にいた馬」と言わしめ、JRA・G1・22勝のトップトレーナーも「20年以上調教師をやってきて、こういうすごい成長をする馬は初めてだった」と舌を巻くハーツクライ産駒。同期のイクイノックスとともに、日本競馬をけん引してきたスーパースターだ。ターフを去るまで残りわずか。別れのその時まで、一挙手一投足に熱視線は送られ続ける。

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