タマモクロスも登場!往年の名馬アニメ化に期待大 当時騎乗の松永幹師「変わった走り方でしたけど…」

スポニチ

2025年03月05日(水) 05:05 0 10

87年、藤森特別を快勝した松永幹騎乗のタマモクロス(5)

 日々トレセンや競馬場など現場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は栗東取材班の田井秀一(32)が担当。来月6日からTBS系全国28局ネットで放送開始となるアニメ「ウマ娘 シンデレラグレイ」に登場するタマモクロスについて、モチーフとなった実馬に騎乗経験がある松永幹夫師(57)に話を聞いた。

 先月25日付紙面で4周年を迎えたゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」を特集。松永幹師に新キャラクターとして登場したラッキーライラックについてインタビューを受けてもらったが、SNSを中心に大反響。普段スポニチを読んでいない方の購入報告もたくさんあって、やって良かったな…と。同時に、取材を快諾してくれた松永幹師には感謝し切れない。

 そして2025年、「ウマ娘」が大いに盛り上がる1年になると断言できるのは、オグリキャップを主人公とした漫画「シンデレラグレイ」がアニメ化されるから。同漫画は週刊ヤングジャンプで連載中で厩舎関係者にも人気。「オグリキャップを原作にした物語が面白くないわけがないよね」としばしば会話の種になる。毎週日曜日午後4時30分からの放送だから、中央競馬終わりでファンが視聴しやすい環境も整っている。

 オグリキャップが主人公なら、当然“白い稲妻”タマモクロスもライバルとして登場する。実馬のプロフィルをおさらいすると、デビューからしばらくダートを中心に使われ8戦で1勝のみ。芝に転じて素質が開花し、9戦目から8連勝を記録。G1・3勝を含むので、怒濤(どとう)という言葉がぴったりの快進撃だった。その2連勝目に騎乗していたのが松永幹師。当時はまだデビュー2年目。「あの時の感覚は残っていますよ。下級クラス(当時の表記で400万下)ではあったけど、何しろ強かったですね。別格というか、行きっぷりが全然違いました。馬なりでした」。次戦から主戦の南井克巳元騎手に手綱が戻ったため、以降コンビを組むことはなかったが、「いや~、また乗りたかったなあ」と笑顔で当時を回想する。

 印象が強く残っているのは同馬の走法だそうで、「馬は普通、首を伸縮させて走るんですけど、首を伸ばしたまま上下に動かして加速していく。独特な走り方をする馬でした。あれでバランスを取っているんでしょうね。変わった走り方でしたけど、本当に強かったです」と身ぶり手ぶりを交えて説明してくれた。実馬の特徴を絶妙にキャラクターへ落とし込むのも「ウマ娘」の魅力。オグリキャップタマモクロスをはじめとした第2次競馬ブームをけん引した名馬たちの物語がどのように描かれるのか。個人的には当時を知るオールドファンにこそ、郷愁の念を抱きながらぜひ視聴を!とオススメしたい。

 ◇田井 秀一(たい・しゅういち)1993年(平5)1月2日生まれ、大阪府出身の32歳。阪大卒。道営で調教厩務員を務めた経験を持つ。19年春から競馬担当。netkeibaTVで「好調馬体チョイス」連載中。

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