【愛知杯】10番人気の4歳馬が激流に乗って重賞初制覇 次はヴィクトリアマイルへ「マイル仕様にしていかないと」藤原調教師は意気込み

スポーツ報知

2025年03月24日(月) 06:05 2 4

愛知杯を制したワイドラトゥールと(左から)藤原調教師、北村友(カメラ・山本 武志)

◆第62回愛知杯・G3(3月23日、中京競馬場・芝1400メートル、良)

 今年から施行条件が変更された第62回愛知杯・G3(中京)は、10番人気のワイドラトゥールが初タイトルを手にした。

 信じているからこそ、動かなかった。前半3ハロンは12年のコース改修後、芝1400メートルで最速となる32秒7。北村友とワイドラトゥールは激流の中でも落ち着いて、後方3番手に控えていた。徐々に位置を上げたのは3コーナー過ぎ。直線では迷わずに大外へ持ち出すと、全身を弾ませながら、ハイペースの影響で脚が鈍る内の馬をのみ込んだ。最後まで止まらない。突き抜けて、手綱を押さえ、重賞初制覇となるゴールに飛び込んだ。

 「4コーナーで動かした時の反応がよかった。ペースが速くなりそうな感じでしたから、ついていかなくてもいいなと。瞬発力がこの馬の良さだと思います」と1馬身半差の完勝を振り返った北村友。2戦目から9戦続けて手綱を執る信頼が引き出した、極上の末脚だった。

 熱い思いが背中を押した。「馬もジョッキーも100点満点」と温かい視線で人馬を見守ったのは藤原調教師。母のワイドサファイアも管理していたが、初のG1挑戦だったオークスの返し馬で放馬。競走除外となった。大きなタイトルを取れないまま引退。産駒のワイドファラオは重賞を勝ったが、自ら手がけた馬でようやく勲章を手にすることができ「感慨深いな」と笑みを浮かべた。

 今後はヴィクトリアマイル(5月18日、東京)へ向かう。トレーナーはこのレースで最多の3勝。ここ3戦勝利のない距離に挑むことになるが、「マイル仕様にしていかないといけないな」と目を光らせた。舞台は母がゲートインできなかった府中の大舞台。母子2代のドラマを紡いでいく。(山本 武志)

 ◆ワイドラトゥール 父カリフォルニアクローム母ワイドサファイア(父アグネスタキオン)。栗東・藤原英昭厩舎所属の牝4歳。北海道新ひだか町・フジワラファームの生産。通算成績は10戦4勝。重賞初制覇。総獲得賞金は8479万円。馬主は幅田昌伸氏。

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  • Faッkyu明日穴さん

    2025/3/24 8:36

    32,7を追い込めたからという短絡的な思考をするつもりはないが、実績見てもマイルよりスプリンターだと思う。

  • すみまさしさん

    2025/3/24 8:14

    ワイドサファイアは同厩生のブロードストリート、ジェルミナルと組んで「藤原三人娘」と名乗り、クラシック戦線で一緒に戦っていた姿が思い出されます。
    フェアリーステークスのジェルミナル、ローズステークスのブロードストリートと違い、オークス放馬事件で話題になっただけで無冠に終わったワイドサファイアは、母として二頭の重賞ウィナーを輩出しましたから、それだけで成功だったと思えます。
    藤原先生の思い入れたっぷりなワイドラトゥールが、東京コースを沸かせるのか、すごく楽しみになってきました。

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