舞台は阪神競馬場・内回りの芝2000メートル。栗東トレセンで追い切りを終えた騎手と調教師から公式会見で「ト
リッキーなコース」の声が出たように、一筋縄ではいかない。昨年は外から
ローシャムパークが仕掛け、ラスト6ハロンから11秒台のラップを刻むロングスパート戦となったが、それでも内回りだけに先行有利。G1昇格後の過去8度は4角4番手内の馬が【7―5―3―23】と上位を占めてきた。
一方で5番手以下の馬がノーチャンスかと言うと、そうではない。
大阪杯では【1―3―5―70】、さらに2017年以降にこの舞台で2度行われた同じG1の
秋華賞を加えると【1―5―7―88】となり、実はすべてのレースで馬券圏内に1頭は入っているのだ。
大阪杯で馬券圏内に入った4角5番手以下の馬9頭のうち5頭は4番人気以内。脚質にかかわらず上位人気になっている馬は押さえた方が良さそうだが、狙うなら5番人気以下。これまで馬券圏内に入った4頭は以下の通り。
▽
2018年
ペルシアンナイト=2着
▽2021年
モズベッロ=2着
▽2022年
アリーヴォ=3着
▽2024年
ルージュエヴァイユ=3着
4頭に共通するのは、父または母の父が
ノーザンダンサー系で4歳か5歳。瞬発力よりも持続性能が問われるなか、血統的な底力が必要で、6歳以上はスピード面で
ピークを過ぎるためだろう。もう一つ、4頭中3頭が当てはまるのが、
大阪杯への臨戦レースで自身の上がり3ハロンが1位か2位(
ルージュエヴァイユは上がり3ハロン0秒4差の4位だが10キロ増と仕上がり途中が明らか)だった。
人気はレース直前までわからないが、おそらく今年のメンバーで当てはまりそうなのは
ソールオリエンス。前走の
京都記念は最後の直線で進路が塞がり、前の馬の外に持ち出してから追い出すロス。5着とは言え、最後の脚は際立っており、4角から直線にかけてはインから馬場の中央に運ぶ、
大阪杯での理想的な進路取りだった。
鞍上は20年以降、今回騎乗予定の騎手では同舞台で最多4勝を挙げる松山騎手。コース取りにたける松山騎手で3枠4番からの発走なら、道中はインを追走し直線は馬場の内から真ん中をさばいて抜け出すシーンが目に浮かぶ。(編集委員・小松 雄大)
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