「セントライト記念・Ｇ２」（１５日、中山）

　皐月賞馬の貫禄を見せつけた。１番人気のミュージアムマイルが外から豪快に差し切って重賞２勝目。次戦の天皇賞・秋（１１月２日・東京）へ向けて弾みをつけた。２着には８番人気のヤマニンブークリエ、３着には２番人気のレッドバンデが入り、上位３頭は菊花賞（１０月２６日・京都）への優先出走権を獲得した。

　復権を懸けた戦いで皐月賞馬が勝利をつかんだ。ダービー６着からの巻き返しを目指した１番人気のミュージアムマイルは格の違いを見せつけ、２つ目のタイトルをゲット。初コンビを組んだ戸崎圭は「皐月賞馬ということで責任は感じていたけど、勝つことができて良かった」と笑顔でレースを振り返った。

　上位の力を示した競馬だった。４角手前から進出を開始し、直線では馬群の大外へ。力強く加速すると、最後は先に抜け出したヤマニンブークリエをきっちり差しきった。「手応えはあったし、ある程度、外を回っても力で押し切れると思って、ギアを上げていきました」と鞍上が胸を張れば、管理する高柳大師も「強い勝ち方でした」と評価。２番人気に支持されながら完敗したダービーの鬱憤（うっぷん）を晴らすかのような、鮮やかな快勝劇だった。

　次戦は菊花賞ではなく、当初の予定通り天皇賞・秋へ向かう。「不安がないわけではないが、ここを勝ったので自信を持って行きたいと思います」と高柳大師。くしくもダービーで後塵（こうじん）を拝したクロワデュノールが前日の１４日にフランスで重賞を制し、凱旋門賞へ向けて弾みをつけた。ライバルに負けてはいられない。ミュージアムマイルも国内で古馬の強豪に立ち向かい、再びＧ１の称号を狙いに行く。