【地方競馬】地方の生え抜き馬でありながら、大きく飛躍する可能性を秘めるオケマル

デイリースポーツ

2025年10月13日(月) 16:00

兵庫3冠達成に挑むオケマル(提供・兵庫県競馬組合)

 「レース記者コラム 仕事・賭け事・独り言」

 オケマルが9日の園田オータムトロフィーを勝って兵庫3冠を達成した。デビューから無敗での達成は兵庫競馬では史上初。3冠達成は2001年のロードバクシン以来で24年ぶり。アラブ時代を含めて4頭目、サラブレッド導入後では2頭目の3冠馬となった。

 同じサラブレッドのロードバクシンオケマルでは3冠の内容が異なる。ロードバクシンの頃は園田ダービー兵庫チャンピオンシップ・Jpn3、菊水賞が3冠の対象レース。オケマルの現行制度では菊水賞、兵庫優駿、園田オータムトロフィーに変わっている。ロードバクシンの2冠目はダートグレードで、JRA勢を下しているのが素晴らしい。

 オケマルは地元馬だけを相手にしてきて、1冠目の菊水賞の時点で勝負付けは済んでいた。1、2冠目は2着に8馬身差、3冠目は大差をつけて退けているように、余裕があり余る勝ちっぷり。まだ全力疾走したことがないのではと勘ぐりたくなるほどだ。

 陣営は当初から、地元での3歳3冠達成を目標に掲げてきた。他場へ遠征して、他地区やJRA勢との対戦は、3冠達成後の方針。管理する盛本信師は「次走は園田金盃(11月27日・園田)、もしくは名古屋大賞典・Jpn3(12月24日・名古屋)を視野に入れる」と明かした。「両方は、よっぽど調子が良ければ」と可能性はゼロではなさそうだ。

 園田金盃は兵庫のグランプリレース。初めて古馬と対戦することになるが、地元の有力馬をなぎ倒してから、名古屋へ初遠征でダートグレート初挑戦なら面白い。園田特有のスローペースからの上がり勝負とは違って、JRA勢がテンから飛ばすダートグレードで、オケマルがどんな競馬をするのかを見てみたい。

 その先の来年は、ダートグレード中心のローテーションになるのだろう。好成績を収めてレーティングの数字を積み上げていけば、再来年はドバイやサウジアラビアから招待されるかもしれない。オケマルは地方の生え抜き馬でありながら、大きく飛躍する可能性を秘めていると思う。(地方競馬担当・中山伸治)

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