【BCクラシック】フォーエバーヤング 名実ともに世界一 日本競馬史に“永遠”と刻まれた大偉業 前年3着の雪辱果たす

デイリースポーツ

2025年11月03日(月) 06:00

 快挙を喜ぶ(左から)坂井、矢作師、藤田晋オーナー(撮影・平松さとし)

 「BCクラシック・米G1」(1日、デルマー

 正真正銘の世界一だ。昨年3着の雪辱戦に挑んだフォーエバーヤング(牡4歳、栗東・矢作)が、昨年後じんを拝した2頭を従えて先頭でゴール。日本調教馬として初めてBCクラシック制覇を成し遂げた。1着賞金364万ドル(約5億7000万円)を加算し、総獲得賞金は29億超え。ウシュバテソーロを抜いて日本歴代1位となった。

 難攻不落のダート王国の牙城を正面から突き破った。300メートル足らずのデルマーの直線。見ている者には永遠とも思えたその時間も、坂井とフォーエバーヤングはゴールだけを見据えていた。

 本場のスピード競馬を2番手で受けて立つ真っ向勝負。3角からペースを上げ、4角入り口で先頭へ。徹底した強気の騎乗だった。「来るなら、あの馬かと思っていた」と坂井。同じ舞台で1年前に敗れた前回王者シエラレオーネ、2着フィアースネスの猛追を必死に振り切った。「悔いのないレースをしたかった。最高です」。善戦というにはあまりにも酷だった昨年の3着。同じライバルを下しての世界一の称号は、なおさら重い。

 『世界のYAHAGI』こと矢作師は、これで海外G1・10勝目。陣営としては厩舎のノウハウを結集し、究極の仕上げで臨んでいた。「瑠星に出した指示は『馬を信じて乗ってこい』。それだけでした」と矢作師。「仕掛けがちょっと早いんじゃないか」と一瞬よぎった心配を、横綱相撲で吹き飛ばしてくれたまな弟子と愛馬を誇らしげにたたえた。

 曽祖父サンデーサイレンスや米国の競馬史を彩る名馬たちの系譜に、日本馬として初めてその名を刻んだフォーエバーヤング。「日本代表がサッカーのW杯で優勝したような感じ」とBC3勝目の矢作師も最高の栄誉を手にしたことになる。

 生涯獲得賞金は約29億円に達し、日本調教馬の歴代1位に立った。坂井は「まだ勝てていないレースもありますし、これからも出るレースは全部勝てるように。この馬にふさわしいジョッキーになれるよう僕自身も頑張っていきたい」と人馬でさらなる高みを見据える。世界の競馬史を塗り替える島国の最強ダートホースとホースマンが、次にどんな景色を見せてくれるのか。世界中が固唾(かたず)をのんで見守っている。

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