【有馬記念】武豊 メイショウタバルで史上12頭目の春秋グランプリ制覇に挑む

スポニチ

2025年12月22日(月) 05:30

今年の宝塚記念を制したメイショウタバルと武豊

 有馬ウイークが幕を開けた。25年中央競馬の総決算「第70回有馬記念」(28日、中山)まであと6日。歴代最多タイの4勝を挙げる武豊(56)は、宝塚記念覇者メイショウタバルとのコンビで史上12頭目の春秋グランプリ制覇に挑む。8月に亡くなった馬主・松本好雄さんとの秘話、大一番へ挑む思いをスポニチ本紙に激白。グランプリで数々の歴史をつくったレジェンドが、新たな劇的ドラマを演出する。

 特別な思いを秘め、相棒メイショウタバルと挑む。春秋グランプリ連覇の懸かる大一番。6月の宝塚記念で喜びを分かち合った先代オーナー・松本好雄さんの姿は、もうそこにない。武豊は「今年の有馬記念を一番楽しみにしていた人。僕もレース当日は“天国でご覧になっていますか。見守ってください”という気持ちで、何度も顔を思い浮かべると思います」と思いをはせた。天国の“名匠”へ届け。人馬一体で、中山芝2500メートルを駆け抜ける。

 松本さんは、人馬の絆を大切にしながら半世紀以上にわたり、日本競馬界の発展に貢献してきた人物だった。「あれだけ凄い人なのに気取ることが一切ない。生産者、調教師、騎手全てのホースマンから尊敬されていました。会社(代表取締役会長を務めた、きしろ)の一角には競馬博物館のようなエリアがあって、長年にわたり競馬を愛していたのは一目瞭然です」としのぶ。

 宝塚記念Vは、松本さんにとって実に12年ぶりのJRA平地G1制覇だった。数日後、タバルの生まれ故郷・三嶋牧場(北海道浦河町)で顔を合わせた時間は忘れもしない。「(牧場代表の三嶋昌春氏を含む)男3人が交わす言葉もなく感極まり涙を流したこと。達成感や人馬の縁やつながりなどに感情があふれ出た数分間でした」。そして2カ月後の8月23日、松本さんは個人馬主として初となる所有馬によるJRA通算2000勝を達成。その6日後、87年の生涯に幕を下ろした。武豊は「悲しい出来事ですが、今となっては生前にG1勝利の感動を共有し合えたことが何よりで、三嶋牧場の事務所で涙を流し合ったことは大切な思い出として胸にとどめておこうと思います」。恩人とのかけがえのない時間を振り返った。

 有馬記念で歴代最多タイとなる4勝を挙げている。これまで幾度となく劇的な結末を演じてきた。「勝った時でいえばオグリキャップディープインパクトキタサンブラックは引退レースだったので大観衆の応援してくれる思いが競馬場に充満していた」。その興奮と感動は、“中央競馬の総決算”にふさわしい。「メイショウ」の勝負服で挑むのは07、08年のメイショウサムソン(ともに8着)以来3度目となる。「今年は先代の松本好雄オーナーにささげる有馬記念メイショウタバルの名義は(松本さんの長男)好隆オーナーとなったので、“ザ・ロイヤルファミリー”同様にファミリーで有馬記念を獲りにいく趣旨と合致。ドラマチックな結末が似合うレースなので、日本中の人々に見てもらいたいです」と力を込めた。 

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