【有馬記念】レガレイラ連覇へ「完璧」 ミュージアムマイルは「中山2500こなせる」 サンデーレーシング・吉田俊介氏が激白

デイリースポーツ

2025年12月22日(月) 06:00

 有力馬を有馬記念に送り込むサンデーレーシング・吉田俊介社長=阪神競馬場(撮影・石湯恒介)

 「有馬記念・G1」(28日、中山)

 今年もダービー制覇を含むJRA・G14勝と、数々の大舞台で結果を残してきた(有)サンデーレーシング。グランプリにも昨年覇者レガレイラ皐月賞ミュージアムマイルの有力馬2頭を送り込む。その社長を務める吉田俊介氏(51)を直撃。大活躍の一年を振り返るとともに、2頭への期待や今後の目標、話題のドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」についてなど、余すことなく語ってもらった。

  ◇  ◇

 -いよいよ年末の大一番・有馬記念レガレイラミュージアムマイルを送り込む今の心境は。

 「2頭ともG1馬ですしね。順調に来られていますし、今からすごく楽しみにしています」

 -連覇の懸かるレガレイラは、ファン投票で歴代最多の61万を超える票数を獲得。

 「すごいですよね。ロイヤルファミリーの効果ですかね。ファンの方々も有馬記念に向けて盛り上がっているんでしょうか」

 -競馬が題材のドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』は、競馬を知らない方からも注目を集めた。

 「僕も毎週欠かさず見ていましたよ。それに毎回泣けるんですよね(笑)。普段から、ドラマの効果や影響を本当に感じています。競馬に関わっていない方たちから声を掛けていただくことが増えましたね。今まで全く競馬に興味を持っていなかった人が、だんだん興味を持ってくれるようになっているのを感じますし、地上波で競馬をモチーフにしたドラマが放送されたということはすごいことだなと感じました」

 -そんな盛り上がりのなかで迎えるグランプリレガレイラは昨年、3歳牝馬として64年ぶりに勝利を飾った。

 「2歳時にはホープフルSを勝ちましたし、関係者一同持っている力を感じていました。長い距離の方がいいというのもあったので牝馬ながら皐月賞、ダービーに挑み、大きな期待を込めたローテーションを組んできましたが、今も課題であるようにスタートで後手に回ってしまうところがあり、なかなか思うような結果を出せていませんでした。そのなかで昨年の有馬記念を勝つことができて、僕自身すごくうれしかったですね」

 -前走のエリザベス女王杯はゲートを五分に出て、他馬を寄せつけない完勝劇。近走は安定感が光る。

 「昨年の有馬記念後に小さい骨折が見つかり、思うような調整ができていないなかでの宝塚記念(11着)でした。オールカマーもそこまで状態が上がっている感じではなく、半信半疑な部分もあるなかでよく勝ち切ってくれました。前走のエリザベス女王杯は本当に強い勝ち方。今が本当に一番いい状態で臨めるんじゃないかなと思っています。本来の力を発揮できる状態になっています」

 -レガレイラに感じる可能性、今後の目標は。

 「有馬記念がやっぱり一番の目標でしたね。今は臨戦過程も完璧じゃないかなと思える状態です。ずっとすごく期待してきた馬で、3歳時も4歳時も凱旋門賞に登録をしていました。その時期にいい成績を挙げられなかったですが…。来年はどうなるか分かりませんが、牡馬に混じっても十分に力を発揮してきた強い馬。来年も楽しみですね」

 -ミュージアムマイルは前走の天皇賞・秋で、中団から脚を伸ばして2着。初の古馬相手でも力を示した。

 「セントライト記念を勝って、いい状態で臨めた前走でしたが、想像できないような上がりの速い競馬になりました。外を回っていた分、少し立ち遅れてしまう形になりましたが、内容は悲観していないです」

 -他の選択肢もあるなかで、有馬記念を目標に定めた理由は。

 「天皇賞の後、レースをしたなりのダメージがあったので、ジャパンCは選択肢にありませんでした。香港遠征か有馬記念かということになりましたが、調教師さんやジョッキーとも相談して決めました。本来はもう少し短い距離の方が合っているかもしれませんが、中山でいい成績を出せていますし、中山の芝2500メートルはコーナーが六つあります。立ち回りによってはこなせると思っています。いい結果を出せると思ってここを選択しました」

 -今の段階での完成度をどう見ているか。

 「やはり、馬自体はだんだん良くなってきていますね。デビュー前から関わっている人みんなが素質を感じていましたし、安定して結果を出してくれています。距離に関しては意見が分かれるのでまだ探り探りですが…。末脚の持続力が強みですね。ここまで海外への挑戦はしてきませんでしたが、この先に可能性はありますし、3歳なのでまだまだ成長力を感じています。これからも大きな期待をしています」

 -今年のグランプリは28日開催。28日の有馬記念と言えば14年に有終の美を飾ったジェンティルドンナを思い出す。

 「その直近2戦が2着、4着という結果だったんですよね。はっきりとは決めていませんでしたが、ジャパンCで引退かな…というのも考えていました。でも、ジャパンCが終わった後の検量室前で、真剣な表情の石坂正先生が『俊介さん、ワシこのままじゃ終われへん。有馬登録してもいいですか』って。そうして本当に勝ってくれたのですごくうれしかったです。もう11年も前になりますね。まだみなさんが覚えてくださっているということがありがたいです」

 -(有)サンデーレーシングは今年、クロワデュノールでダービーを制するなど、ますます強い存在感を放っている。1年を振り返って。

 「いい成績を挙げさせてもらっているとも思いますし、逆に活躍させてあげられずに成績を残せなかった馬たちもいます。クロワデュノール凱旋門賞に挑戦した際はファンの方々の後押しをすごく感じました。やはりそうやって、ワクワクできるような状況で大舞台に挑戦することを続けないといけないと思っています。僕らも楽しいからやっているんですけどね(笑)。クラブの馬ではないですが、フォーエバーヤングがBCクラシックを勝てたということは、僕のなかではすごく大きかったんです。30年近く前、僕自身アメリカで研修していましたが、日本の馬が挑戦することもなければ、勝つなんて夢見ることもなかったレースでしたからね。やはり挑戦を続けることは必要だなと思います」

 -今後の目標は。

 「一頭一頭が持っている力を発揮できる状況を整えてあげて、全ての馬が一番いい成績を出せるようにしたいというのが基本にあります。そのなかで、国内外のレースに挑戦したり、夢を追うということを必ず続けていきたい。BCクラシックを勝ったりすると、僕らのなかの常識がアップデートされていきます。そのなかでさらにワクワクできるような、みんなで盛り上がっていけるレース選択をして挑戦していきたいです」

 ◇吉田 俊介(よしだ・しゅんすけ)1974年4月13日生まれ。51歳。北海道早来町(現・安平町)出身。慶応義塾大学経済学部卒業後、98年に(有)ノーザンファーム入社。米国研修から帰国後、2004年にノーザンファーム空港牧場場長に就任し、07年から(有)サンデーレーシングの社長も務めている。15年からノーザンファーム副代表を兼任。ノーザンファーム代表・吉田勝己氏の長男。

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