◇鈴木康弘氏「達眼」馬体診断

　ミュージアムマイルは伸び盛りの3歳馬です。筋肉の張りは明らかに前走以上。毛ヅヤを失いやすい冬場でも黒鹿毛の被毛が黒光りしています。腹周りもふっくらしている。秋の天皇賞で古馬勢と激闘を演じた反動は馬体に表れていません。「マイル」の馬名とは裏腹に体形は中距離。ミュージアムミドルと呼びたくなる馬体です。中山の2500メートルにも対応できるでしょう。

　問題は目つきです。これまでのG1馬体診断では見せたことがない鋭い目になっている。いつも通りハミを穏やかに受け、古馬のように落ち着き払った立ち姿なのに目つきだけが違う。この違いをどう受け取るか。私は闘争心の表れと受け取りたい。闘争心はもろ刃の剣。レースの終盤に発揮すれば好結果を生むが、序盤に闘志を燃やせばゴールを待たずにガス欠してしまう。そこが浮沈の鍵です。