外国人騎手に本免許取得の道が開けた。
JRAは7日、14年度の調教師・騎手免許試験要項を発表。その中の新規騎手の項目に「外国で騎手免許を受けている者を含む」と盛り込んだ。外国人調教師に関しても受験資格要件を明記した。
以前も内規では外国人の受験を容認していたが、どういう試験を課すか具体的な記載がなかった。挑戦例は一度もない。明文化することで海外に向け、門戸を開放していることをアピールした格好。今後、外国人騎手は
地方競馬所属の騎手に準じる扱いとなる。
これを受けて、イ
タリアのM・デムーロ騎手(34)の動きが注目される。同騎手は99年から毎年、短期免許で騎乗。外国人騎手初の
日本ダービー制覇(03年
ネオユニヴァース)など
JRA・GI9勝を挙げる。近年はイ
タリア競馬の衰退が著しくイギリス、フランスに活躍の場を求めたが、チャンスに恵まれず日本での通年騎乗を希望していた。
一次試験は10月2日に行われる。筆記試験は競馬関係の法規や専門知識に関する問題が出題され、英語による受験が可能。実技は日本での実績があるため免除される。ただ、一次に合格しても14年1月27~29日の二次試験が難関。日本語による競馬関係法規、知識、一般常識等の口頭試験が行われる。合格ラインは100点満点でおおむね60点以上。日本語の日常会話ならできるデムーロだが、相当にハードルが高いと言えそうだ。
外国人騎手が試験に合格して免許を受けた際は、年間を通じての
中央競馬騎乗を義務付けられる。調教師が合格した場合、日本で開業するには当該統括機関の免許返上が条件となる。また、通年騎乗の外国人騎手が誕生しても、短期免許で騎乗可能な人数は同時期最大5人で現在と変わらない。
さらに、騎手免許試験要項には引退騎手に対する試験内容も明記された。一次の騎乗技術試験が免除されることなどが記されたが、受験資格は「本会(
JRA)の騎手であった調教助手または厩務員」で、騎手から引き続き転身した者に限られる。
提供:デイリースポーツ
2013/8/8 21:38
大相撲で旭天鵬の立ち会いの際、「日本人負けるな」という声援があった。
彼がモンゴル出身だから相手の力士にそう言ったのだろう。
だが彼は日本に帰化した日本人だ。傷つくのは無理もなかった。
同じような意識は競馬ファンにも感じることがある。
先日の騎手交流競走で、3人の地方出身騎手がJRA代表に入ったとき、
「彼らはJRA代表ではない」と言う意見は少なくなかった。
スタート地点は違えど、狭き門をくぐって
JRA騎手となった先の身分に違いはない。
地方出身だから、外国人だから、生え抜きだから、
という声は聞きたくない。
特にミルコはヨーロッパの騎手だ。
さまざまな国籍の騎手がいるのが当たり前の環境で戦ってきた。
彼が日本競馬のために尽くしてもずっと外人扱いだったら、
いつまでも変わらずに日本を愛してくれるだろうか。
外国人騎手の誕生が日本の競馬ファンの心の垣根を
少しでも取り払う機会であってほしい。