国内の生産頭数7473頭

2010年03月24日(水) 12:00

 今日は浦和で「桜花賞」が行われる。本来ならば、笠松の星・ラブミーチャンが中央GI挑戦から目標を切り替えて、浦和参戦となる予定だったが、出走取消。興行的にもちょっと痛い。残念というしかないのだが、やむを得ない。

 我が道営からは、昨秋エーデルワイス賞を制し、川崎に転厩したオノユウが今年初めて登場する。前走は年末に大井で行われた東京2歳優駿牝馬(2着)。プリマビスティーに3馬身2分の1及ばずの結果だったが、今日は巻き返したいところだ。

オノユウ 

 さて、このほど2009年度の国内軽種馬生産頭数が日本軽種馬登録協会と日本軽種馬協会より発表された。その数7473頭で、サラ系アラ系合わせた総数である。

 わが国で生産頭数がピークに達したのは1993年(平成5年)の計12591頭(サラ系9987頭、アラ系2472頭)で、前記の数字と比較すると、実に5401頭もの減少となる。

 ただし、前年(2008年)と比較すると、わずかながら増加しており、サラ系で94頭増、アラ系で1頭、合わせて95頭の+になっている。

 それぞれ8年ぶり、15年ぶりの増加になる、という。アラ系はさておき、サラ系の増加は、昨今の生産地状況から考えると何とも不思議な気がするが、どんどん減少し続けた生産頭数がこのあたりでついに「下げ止まった」のであろうか。

 7473頭の地域別内訳は、北海道が7214頭、その他の都府県(青森以南)が259頭である。

 北海道の7214頭のうち、日高は6027頭、胆振は1138頭、十勝が49頭。

 日高の7214頭は、日高町1244頭、平取町168頭、新冠町1223頭、新ひだか町1865頭、浦河町1377頭、様似町107頭、えりも町43頭という内訳である。

 前年比増とはいえ、例えば2005年の数字と比較すると、地域差がかなり顕著に出てくる。日本軽種馬登録協会HPのデータによると、2005年は、国内でサラアラ合わせて8028頭が生産され、北海道で7683頭、日高で6551頭、胆振1059頭、十勝73頭。また北海道以外の都府県では345頭であった。

 それぞれ、先に挙げた2009年のデータと照合すると、全体では−555頭、北海道では−469頭、日高では−524頭、逆に胆振では+79頭、十勝で−24頭、都府県で−86頭という結果となる。

 胆振が増えた以外はいずれも減少しており、日高の減少分がほぼ国内の生産頭数の減少分に近い数字となっている。

 一時的に生産頭数が増えたとしても、同じく2009年度の種付け牝馬頭数のデータによれば、こちらは、サラアラ合わせて1万頭の大台を割り込み9872頭であった。サラ系では前年比−396頭、アラ系で−5頭である。

 国内の種付け牝馬頭数が1万頭を切ったのは実に1967年(昭和42年)以来、42年ぶりのことだという。

 なお、種付け牝馬頭数は、1967年以降、急速に上昇カーブを描き、1975年(昭和50年)の19048頭までどんどん増え続けた。

 この年がピークで、以後はバブル期まで漸減し続け、1991年(平成3年)に再び18767頭まで回復したものの、翌92年以降はまた減少に転じ、実に17年間ずっと減り続けている。

 以上のことより、おそらく2010年度の生産頭数は、再び減少へ向かうこととなろう。

 日高における種付け牝馬頭数は7885頭だが、2005年と比較すると、新冠町で微増(1633頭→1642頭)以外は、いずれの町も減少しており、三石と静内が合併して誕生した新ひだか町の数字(2652頭→2317頭)がもっとも大きく変わっている。

 地方競馬の不振のみならず、中央競馬の売上げ減もまた、種付け牝馬頭数の減少の要因として挙げられるだろう。

 急速な景気回復が望めぬ状況から考えると、とりわけ日高ではさらに生産頭数が減って行くことになるものと思われる。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

田中哲実

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

新着コラム

コラムを探す