晴れ男のオーストラリア競馬探訪

2011年02月12日(土) 18:00

 6日から11日まで、オーストラリアの競馬を見に行ってきました。今回訪れたのは、メルボルンのあるヴィクトリア州の北部、ワンガラッタ、スワンヒルの平地競馬とエチューカのハーネス(繋駕)、それにメルボルン郊外、メルトンに2009年にできたばかりのハーネス専用競馬場の4箇所。これで、踏破した競馬場の数は国内、海外あわせて220箇所に達しました。

 オーストラリアは全国各地に500を超える競馬場がある“競馬大国”。私にとっても、これまでに訪れた海外181箇所のうち約3分の1がオーストラリアの競馬場ですから、とてもありがたい国になっています。

 とはいえ、メルボルンやシドニーなど、わりと簡単に行ける大都市周辺の競馬場はほぼ踏破し尽くしてしまいました。今回観戦しに行ったのも、メルトン以外は大都市から遠く離れた田舎の競馬場です。

 これらを効率よく回るのはなかなか大変。何しろ車の免許は持っていませんので、移動の際は飛行機、鉄道、バス、そして最終的にはタクシーをフルに活用しています。当然ながら、公共交通機関がまともに動いてくれないと、スムーズな移動はできません。

 実は今度の競馬場巡り、ギリギリまで決行するかどうか迷っていました。オーストラリア各地が建国以来と言われる大洪水に見舞われ、私が行こうとしていたスワンヒルにも、その一部が近づきつつあったからです。

 出発の1週間ほど前までは、洪水の影響でワンガラッタからスワンヒル、スワンヒルからエチューカへの移動に使うつもりのバスや鉄道が、不通になったり迂回ルートを走ったりしているという状況でした。

 「これじゃあ、スケジュールどおりの移動は無理。もしスワンヒルに洪水が押し寄せたら、競馬も中止になっちゃうだろうし」ということで、今回の旅は断念しようかと思っていたんです。

 ところがその後、奇跡的に洪水の拡大が収まり、鉄道も復旧して、予定どおり、4箇所の競馬場を回ってくることができました。しかも、出発する3日ほど前までの2〜3日間は40度を超える猛暑、前々日と前日はそこに寒気が流れ込んだためのゲリラ豪雨と、大荒れの天気が現地を襲ったそうですが、私が競馬場巡りをしていた間は毎日が上天気。帰りの飛行機に乗るときになって、ようやく雨を見たくらいで、快適に過ごせちゃったんです(異常発生しているコオロギに閉口したことはありましたが)。

 あらためて、「オレは“晴れ男”なんだなぁ」と思いましたね。これまでにも旅先で天気に恵まれることがけっこうありましたが、今回は極め付きかもしれません。

 きっとこれは、ここ数年、必ず初詣に行っている、とある神社の御利益でしょう。おかげさまで、無事に旅を終えることができました。次回も、どうぞよろしくお願いします!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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