菊花賞のペースは?

2002年10月16日(水) 12:40

 底知れぬファインモーションの強さ、これでひとまず、競馬に大輪の花が咲きました。

 これと、テイエムオーシャン、牝馬2頭のレースに期待が持てます。相次いだ強豪の引退をどう埋めていくか、少しずつ、希望の抱ける馬の出現を心待ちしていきたいものです。菊花賞は、ダービーの1〜3着が出走しない厄介なレースになりました。

 スタミナ自慢、確たるステイヤーの出にくい今の競馬にあって、菊花賞3000mへの対処の仕方に微妙な変化を感じざるを得なくなりました。これは、騎乗者の心理に少なからず影響を与えています。

 極端なスローペースで上がりだけの競馬という考え方が普通ですが、京都の直線は平たんな為、馬のタイプによっては、必ずしもそれだけではなくなります。道中、早い時点でペースを上げていっても、それほど直線で脚勢がおとろえることもありません。3000mを3分割して、最初の1000mは、ある程度いいポジションを占めるために全体にペースが上がり、中の1000mは、スタミナの消耗を考えてじっと動かずゆったりと構えて、最後の1000mでどれだけ速い脚を使えるかというのがだいたいの戦い方。これだと、3000m戦であっても、2200〜2400mぐらいを走るのに等しく、平均ペースに乗って決め手勝負という姿が見えてきます。中の1000mが遅くならない場合には、完全なステイヤー型が台頭するのですが、今年のメンバーだと、そういう展開は見えにくいものがあります。岡部騎手のローエングリンがカギを握っていて、それほどペースを落とさず、後続に脚を使わせながら流れ込みを狙いそうで、3分割したそれぞれの1000mを、それほど落差のないラップを踏みそうです。多少のスタミナはもとめられ、あまり後方からの追い込みは効きにくいというかたちが考えられ、長くいい脚を使えるタイプ、そういう馬を圏内にしぼっていく、そういうことになると考えているのですが。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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