週刊サラブレッドレーシングポスト

2002年11月25日(月) 15:26

 今年も残すところ1カ月余りとなったが、北米のランキングは騎手部門も調教師部門も首位が独走中で、それぞれリーディング獲得が確実な情勢となっている。

 騎手部門(11月23日現在)で、2位のエドガー・プラドに450万ドル以上の差をつけてトップに立っているのがジェリー・ベイリー。昨年、北米騎手として史上初めて年間賞金収得額が2000万ドルの大台を突破する2285万ドルに達したベイリーだが、今年は更にハイペースで、3歳牝馬ユーとのコンビで制したエイコーンSをはじめとした4つのG1や、ストリートクライで制したドバイWCとスティーヴンフォスターS、ビートホロウで制したアーリントンミリオン、オリエンテイトで制したBCスプリントなどで、11月23日までに2219万ドルを獲得している。自身7度めのリーディングはほぼ確実で、昨年作ったレコードを更新するのも時間の問題となっている。

 調教師部門で首位を走っているのが、ボビー・フランケル。多くのチャンピオンを手がけ、既に殿堂入りも果たしているこの高名なトレーナーが、全米リーディングはこれが初めてだというから意外である。わずかの差でボブ・バファートに敗れた昨年の雪辱をぶつけるように、今季のフランケル厩舎の攻勢は凄まじく、ベイリーとのコンビで活躍したユーやビートホロウを筆頭に、トラヴァーズSを制したメダグリアドロー、サンタアニタHを制したミルウォーキーブリュー、ウッドウォードSを制したリドパレス、ターフクラシックを制したデノン、セクレタリアトSを制したチセリングなど、厩舎は活躍馬の宝庫となっている。

 11月23日現在の収得賞金額は、2位のバファート厩舎に500万ドル以上の差をつける1661万ドル。北米における調教師による年間賞金収得額の最多記録はウェイン・ルーカスが持っている1784万ドルだから、これにあと120万ドル余りと迫っている。フランケル厩舎からは今後、29日にチャーチルダウンズで行われるG2クラークH(総賞金40万ドル)にリドパレス、30日にアケダクトで行われるG1シガーマイル(同35万ドル)にオルデバラン、12月1日にハリウッドパークで行われるG1ハリウッドダービー(同50万ドル)にイネスペラードとロイヤルジェム、同じく12月1日にハリウッドパークで行われるG1メイトリアークS(同50万ドル)にバンクスヒルと、高額賞金レースに出走する有力馬が目白押しなだけに、新記録達成が大いに期待されている。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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