2012年04月11日(水) 18:00
4月2週目に入り、一気に日高は慌ただしくなってきた。今週月曜日(9日)には、浦河にあるJRA日高育成牧場にて、JRA育成馬展示会が開催され、多くの関係者で賑わった。
JRA育成馬展示会
昨年の場合、市場でJRAが購買した1歳馬は計79頭。これにJRA生産馬6頭を合わせて85頭が来る4月24日(火)に中山競馬場で開催される予定の「JRAブリーズアップセール」に上場される予定となっている。
そのうちここ日高育成牧場では61頭、宮崎育成牧場にて24頭がそれぞれ分かれて調教を行っており、その成果をお披露目するべく開催されるのがこの展示会なのである。
JRA育成馬は、今年3歳世代の中から先週の桜花賞に3頭出走しており、今週末の皐月賞にもモンストール(新潟2歳S優勝馬)が出走予定である。4月8日現在の競走成績は、売却された78頭中、中央競馬に登録された頭数が75頭。うち71頭が出走し、14頭が20勝をマークしている。
会場には、午前10時の開始時間から中央競馬の調教師や馬主、育成牧場関係者、各馬の生産者たちが集まり、1頭ずつチェックしていた。
展示は5班に分けて行われ、30分のインターバルを挟んだ後、1600m馬場に移動して騎乗供覧が披露された。
2頭ずつ併せ馬でスタート
直線2Fの時計を計時
ここではあくまでも「お披露目」であり、本番は4月24日。抑え気味の調教でちょうど良いというところなのだろう。
なお、騎乗供覧には、JRA職員とともに、BTCの騎乗技術者養成研修第29期生たちも各馬に騎乗して、1年間の研さんの成果を披露した。この29期生は、この後13日(金)に修了式を迎え、その後各々の就職先に出発することになっている。
また各馬はこの後16日に中山競馬場へ向け出発し、本番に備える予定という。昨年、79頭中78頭を売却し6億1755万円を売り上げたブリーズアップセール。今年はどんな結果が待っているだろうか。
さて、その翌日(10日)から恒例の産地馬体検査が始まった。
これは、トレセンを経由せず直接競馬場に入厩できるメリットがある制度で、今年デビュー予定の2歳馬たちにとっては、6月からスタートする新馬戦に向けての第一関門となる。
ジョワドヴィーヴル産地馬体検査時
検査終了後は、今や恒例となったPOG関連本の取材チームからさっそく育成牧場関係者を囲んでの取材や立ち写真を撮影する光景などが見られた。
翌11日には新ひだか町静内の北海道市場を会場に約190頭が検査を受け、その後は12日、13日と会場を安平町に移し、2日間で360頭が登場する。4日間で700頭超が受験する。
例年、とりわけこの安平町での検査には社台グループ生産馬が大挙して検査に訪れることから、このところ取材陣が多くなっており注目度が高い。昨年はジョワドヴィーヴルなども登場し、熱い視線を集めていたのを思い出す。
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田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。