2012年04月20日(金) 12:00
今年に入って4つのG1レースが先週までに行われましたが、その全てのレースをふり返ると、騎手の判断力と迷いのない騎乗振りが好結果に結びついているような気がします。特に今年は週末の雨も多く、馬場状態が難しい状況下。
高松宮記念では、前日までは大外ばかり。それが当日の晴れた天気と風もあって、内側から速く乾きだす状態に。それをよんだ池添騎手が、いつもよりも前目での騎乗を心がけての勝利。
そして先週の皐月賞では、皆が外を周る中、馬の状態や資質から馬場をこなせると判断をした内田騎手がコーナリングを利用してのインコースへの切り込み。そして遊ぶ面のあるゴールドシップを豪腕と豪脚でしっかりと挟み込んでのプッシュ。素晴らしかったですね。
一方、人気を背負ったワールドエースはスタート後に躓くアクシデント。騎手が跨ってから気負う面がでてきてしまっていただけに、あの躓きでフッとハミが抜けて道中の乗りやすさに繋がった面はあったとは思いますが、馬への負担も大きいように感じましたし、その一つ前のレースでの出遅れもあっての今回。これが次のレースに精神的な面で悪い影響を与えなければいいのですが…。
またグランデッツァは、皆が外に進路を取る中においての大外枠。終始外をまわされる形となったのが痛かったように思います。
それにしても、内田騎手は昨年ケガにより2歳戦を乗っていなかったわけですから、わずかなチャンスをものにしての今回というのは、本当に凄いものがあると思います。しかも完璧に体を戻すどころか、休む前以上の体力を備え付けようと相当なトレーニングを積んでのカムバック。「心・技・体」の揃った本物の騎手だなぁと感じずにはいられません。
桜花賞に引き続き、地方出身のお二方が今年の牝馬・牡馬クラシックの第1冠を制覇。これは決して偶然ではない、何かがあるように感じます。
さぁそしてレース後に行われた騎手イベント。今年は騎手自らがプロデュースとあって、中身の詰まったあっという間の1時間イベントに。そして何よりもイベントを盛り上げようと、細かなところまで気を配っていた後藤騎手の心配り。これが凄い。私も見習わなければならない点が多かったです。
それでは皆さん、週末は競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。
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細江純子
愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。