小倉記念&レパードSは多点買いで勝負!

2012年08月04日(土) 20:00

 先週7月29日のWIN5は4万840円の低配当決着。もっとも、5レース中4レースを単勝1番人気馬が制したうえ、残る1レースを勝ったのも単勝2番人気馬でしたから、「思ったよりも高かった」「終わってみれば妙味ある配当だった」と感じた方が多いかもしれません。実際、当初は私も「こんな決着で400倍もつくのなら低配当狙いの馬券作戦も悪くないのでは?」と考えていました。

 しかし、冷静にこの回を振り返ってみると、それほど単純な話ではないことがわかります。WIN5の残り票数が優勝馬の単勝支持率通りに減っていったと仮定した場合の配当理論値は4万8989円。つまり、あの金額でも“本来あるべき配当額”よりは2割ほど安いのです。以前にも指摘したと思いますが、10万円を切るような回の配当は配当理論値よりも2〜5割ほど安くなってしまうもので、先週7月29日も例外ではありませんでした。

 また、単勝1番人気馬が4勝したとはいえ、この4頭はいずれも単勝オッズが2倍を超えていた馬。1〜2頭くらいなら自信を持って買えたかもしれませんが、すべてのレースで上位人気馬を信頼するのは案外難しかったと思います。この日のWIN5対象レースには単勝オッズ5倍未満の馬が11頭いましたから、これらの組み合わせを100円ずつ押さえると4800円。4万円ちょっとの配当では総購入金額の10倍にもならないわけで、低配当決着の発生頻度を考えると、馬券作戦としてはちょっと効率が悪いですね。無論、予想の精度を上げることで投資効率を良くすることは可能ですが、イメージほど成功率の高くない作戦であることは認識しておくべきでしょう。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→新潟11R レパードS
 今週の対象レースはなかなか1頭に絞れないと思うのですが、あえて絞るならこのレース。過去3年のレパードSに出ている調教傾向として「調教本数を多く、最終追い切りは栗東坂路」というものがあります。これに該当している馬は数頭いますが、その中でも坂路での追い切りで終い最速ラップを踏めているのはホッコータルマエのみ。調教内容から、すんなり選び出すことができました。

推奨馬:12.ホッコータルマエ

●今週の多点買いレース
→小倉11R 小倉記念
 高速決着の芝2000mでは坂路調教馬が好走するという理由については、No.1予想に記したので詳細は省きます。簡単に言ってしまえば、昨年の小倉記念、先週の国東特別と栗東坂路で追い切られた馬が勝っているということです。栗東坂路で追い切られている馬はワルキューレ、タムロスカイ、エクスペディション、アスカクリチャンと少なめ。この4頭を押さえれば十分だと思いますが、過去にダンスアジョイなどが勝ったCW追いを押さえるならダノンバラードまで。

推奨馬:02.ワルキューレ、04.ダノンバラード、06.アスカクリチャン、09.タムロスカイ、10.エクスペディション

【奥田隆一郎のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→札幌11R しらかばS
 セイリオスは、前走にて同距離の1600万特別を勝ち上がった。今回は叩き3走目で能力を発揮できるうえに、前走に比べて斤量2キロ減となるため、オープンでも好勝負になる。

推奨馬:08.セイリオス

●今週の多点買いレース
→新潟10R 飯豊特別
 タニマサホークは、前々走にて直結コース福島芝1200mの白河特別を人気薄で3着に激走している。前走は距離1400mで敗れたが、適距離の1200mに戻る今回は変わり身を警戒する。ゴールデンムーンは、直結コース京都芝1200mの葵S(オープン特別)を連対している。このクラスでは実績上位、前走からの距離短縮で勝ち負けになる。タイセイジーニアスは、直結コースの中京芝1200mで500万下を勝ち上がった。これまで中距離で善戦までだったが、前走で芝1200mに出走して変わっており、引き続き短距離戦で注目したい。

推奨馬:06.ゴールデンムーン、11.タイセイジーニアス、14.タニマサホーク

【古澤秀和のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→小倉11R 小倉記念
 ハンデ戦だが、ここは1頭で勝負したい。トーセンラーはここにきてグングン上昇。なかなか馬体が張ってこなかったが、写真を見ると素晴らしく張りが出てきている。調教の動きも抜群だったし、何しろ今の馬場が非常に軽い小倉が合う。枠も楽に運べるところを引けたし、ここはハンデを考慮しても当然勝ち負け。

推奨馬:05.トーセンラー

●今週の多点買いレース
→新潟11R レパードS
 イジゲンはまだまだ完成度の低いところがあるが、能力は高いものを持っている馬。ここは相手にも恵まれたし、内枠でロス無く運んで直線で外に持ち出せば上位争いは必至。ダノンゴールドは3走前にキングブレイクに先着を許しているが、左寛跛行明けで状態が本物ではなかった。2走前は芝のレースだし、前走の勝ちっぷりがこの馬本来の実力だろう。トモが充実して馬体が良くなっているし、このメンバーが相手もチャンスはある。ホッコータルマエは元々体付きが良かったが、前走で強いメンバーと戦ったことで更に成長した感がある。前目に付けてキッチリ伸びるし、今の状態なら勝ち負けは必至だ。

推奨馬:02.イジゲン、04.ダノンゴールド、12.ホッコータルマエ

【伊吹雅也のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→札幌11R しらかばS
 今年の1回札幌ダート1700m(7月29日終了時点)は、3歳以上のレースに限ると、前走がJRA、かつ前走で出走メンバー中2位以内の上がり3ハロンタイムをマークできなかった馬が[2-6-6-57]といまひとつ。先行馬がなかなか勝ち切れない傾向にあります。注目は横山典弘騎手とサイレントメロディのコンビ。このメンバーなら実績上位ですし、展開やコース適性に不安はありません。また、コンビ実績のあるジョッキーなので乗り替わりも問題ないはずです。

推奨馬:03.サイレントメロディ

●今週の多点買いレース
→新潟11R レパードS
 前走がジャパンダートダービーだった馬は2009年以降[2-1-0-5]、前走がダート1800mの1000万下、かつ3着以内だった馬は2009年以降[1-2-2-1]。一方、どちらにも該当していない馬は2009年以降[0-0-1-27]と苦戦しています。前走の格やダート1800mへの適性を重視すべきレースと言えそうです。素直に狙えるのはジャパンダートダービー最先着のホッコータルマエ、前走でダート1800mの1000万下を勝っているナムラビクター。また、ダート1800mに限れば大崩れのないキングブレイクも侮れません。

推奨馬:11.キングブレイク、12.ホッコータルマエ、14.ナムラビクター

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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