札幌記念・北九州記念は多点買いが妥当?

2012年08月18日(土) 20:00

 既にお気付きの方も多いと思いますし、当コラムでも何度か触れていますが、今夏のWIN5はとにかく堅い印象。先週8月12日も単勝1番人気馬が3勝、単勝2番人気馬が2勝で配当は6万7750円止まりでした。夏競馬に突入した6月3日以降、WIN5対象レースはこれまでに55レースありましたが、このうち40レースで単勝2番人気以内の馬が優勝。実に7割以上のレースが“本命サイド”の決着となっています。

 ちなみに、前記以外の期間=2011年4月24日から2012年5月27日のWIN5対象レースにおける「単勝2番人気以内の馬が勝ったレースの割合」は50.2%。昨年の夏競馬シーズン=2011年6月18日から2011年9月4日までは56.7%でしたから、通常の時期は勿論のこと、昨年同時期と比べても明らかに堅いのです。

 今週8月19日のWIN5は総出走頭数が70頭、総組み合わせ数が47万6280通り(前日16:00現在)。先週8月12日(総出走頭数64頭、総組み合わせ数29万4030通り)よりは多いものの、WIN5全体の傾向から見ると水準並みかやや少なめといったところで、波乱の決着となる可能性が特に高いとは言えません。引き続き堅く収まると見るか、それともそろそろ高額配当が飛び出すタイミングと見るか――。まずこの部分を自分の中でハッキリさせてから各レースの検討に臨むべきなのではないかと思います。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→小倉10R 不知火特別
 依然として、時計の速い決着が続く小倉芝。これが1800mになると、トラック調教で速い5F時計をマークしていることが調教適性最上位の条件となります。時計の速い決着は3走前2着の実績があるメイショウサミット。この中間はグリーンWに放牧へ出されてリフレッシュ。その効果があって、今回の最終追い切りはCWで5F65秒。これは3走前と同じ追い切りですから、それだけ走れば十分に勝つチャンスがあるでしょう。

推奨馬:09.メイショウサミット

●今週の多点買いレース
→札幌11R 札幌記念
 今週は対象レースすべてが難しいので、多点買いといっても8点も10点も選ぶわけにはいきません。調教条件で絞れるレース、それが札幌記念だと考えています。予想の詳細はNo.1予想に記していますが、1週前追い切りで函館Wという条件をクリアしていたネオヴァンドームとフミノイマージン。堀宣行厩舎の準勝負調教に該当しているダークシャドウ。そして1週前、レース週ともに函館Wで追い切られたヒットザターゲット、ハナズゴール、アクシオンまで。

推奨馬:04.ダークシャドウ、05.フミノイマージン、06.ネオヴァンドーム、07.ハナズゴール、08.アクシオン、09.ヒットザターゲット

【奥田隆一郎のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→小倉10R 不知火特別
 カルドブレッサは、休養前に上の1600万クラスで好走しており、現級では能力上位。前走にて同コースの現級を連対したように、コース適性もあるため勝ち負けになる。

推奨馬:07.カルドブレッサ

●今週の多点買いレース
→新潟10R 妙高特別
 サクラインザスカイは、前々走にて直結コース東京ダ1400mの500万下を勝ち上がった。昇級緒戦の前走は、直結コースの阪神ダ1200mを4着に善戦している。今回はクラス2戦目の前進が見込め、勝ち負けを期待する。カフェシュプリームは、3走前に直結コースの中山ダ1200mで500万下を圧勝した。昇級緒戦は距離1400mを凡走したが、前走は適距離で巻き返した。今回もダート1200mのレースなので好勝負になる。タニセンジャッキーは、直結コース中山ダ1200mの500万下で2着を続けた後、前走にて同コースの500万下を圧勝した。新潟ダ1200mに対する適性が高く、昇級緒戦から注目する。

推奨馬:01.サクラインザスカイ、03.タニセンジャッキー、11.カフェシュプリーム

【古澤秀和のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→札幌11R 札幌記念
 ここはダークシャドウ1頭で攻めたい。トーセンジョーダンの回避で一気に相手が楽になったし。写真を見ると仕上がりも良いし、デキも問題なさそう。内枠有利の馬場で枠順も良いところを引けたのも非常に大きなプラス材料。ツナギが立ち気味で洋芝の札幌も合うし、切れを生かせる馬場状態もこの馬にはぴったり。当然勝ち負けになる。

推奨馬:04.ダークシャドウ

●今週の多点買いレース
→小倉11R 北九州記念
 ツルマルレオンはここにきて馬体が充実してきた。筋肉のボリュームが素晴らしいし、ハーツクライ産駒らしいキレも完備している。内枠で道中ロスなく運べるし、直線で間を割る脚もある。チャンス十分。ジュエルオブナイルは小倉適性が高い。休み明けを使って状態も上向いているだろうし、ハンデ差を生かせば上位争いに食い込めても良い。ヘニーハウンドはハンデが重いが、能力はこのメンバーに入ると上位。写真で見る馬体も威圧感があって良い感じだし、ここは上位争い必至。エーシンダックマンは1000mが短くて対応できなかったが、能力的に見限りは早計。今回も状態は良さそうだし、巻き返しを期待。エピセアロームは本来もっと長めの距離で走る馬だが、現状は短いところの方が良さそう。能力的にここでも上位争いできても良い。

推奨馬:01.ツルマルレオン、02.ジュエルオブナイル、04.ヘニーハウンド、09.エーシンダックマン、18.エピセアローム

【伊吹雅也のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→新潟11R 天の川S
 昨年の3〜4回新潟芝2000m外回りは、3歳以上のレースに限るとサンデーサイレンス系牡馬が[4-4-6-23]と堅実。今開催もほぼ同様の傾向です。また、今年の2〜3回新潟芝2000m外回り(8月18日終了時点)は、3歳以上のレースに限ると4コーナーを3番手以内で通過した馬が[0-1-1-7]と苦戦しています。注目は柴田善臣騎手とステラロッサのコンビ。このメンバーなら実績上位ですし、ゴール前の直線が短いコースだった前走は度外視可能でしょう。諸々の条件が好転する今回は素直に信頼できると見ました。

推奨馬:12.ステラロッサ

●今週の多点買いレース
→小倉11R 北九州記念
 前走がJRA重賞だった馬は2006年以降[2-1-4-44]といまひとつ。また、同年のサマースプリントシリーズチャンピオンが出走していたケースは2007年(サンアディユ)、2009年(カノヤザクラ)、2011年(エーシンヴァーゴウ)と3例あるものの、それぞれ7着、3着、3着と勝ち切れていません。サマースプリントシリーズ組を安易に信頼せず、ピンポイントでこのレースに合いそうな馬を重視すべきだと思います。なお、前走がJRAの平地競走、かつ前走で出走メンバー中3位以内の上がり3ハロンタイムをマークしていた馬は2006年以降[4-3-4-22]と好調。前走が好内容だったヘニーハウンド、負担重量に恵まれたマコトナワラタナ、ここ2戦連続で出走メンバー中1位の上がり3ハロンタイムをマークしているスギノエンデバーを中心に手広く押さるべきでしょう。

推奨馬:04.ヘニーハウンド、11.マコトナワラタナ、16.スギノエンデバー

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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