週刊サラブレッドレーシングポスト

2003年04月01日(火) 18:29

 今週のマーガレットSで人気の一角を占めそうなヒューマ(2戦2勝)、同じレースに登録のあるフィールドロッジ(2戦2勝)、更にはヒシダブリン(6戦2勝、あざみ賞)など、数少ない購買馬から活躍馬続出の『タタソールズ・ブリーズアップセール』が、4月16日・17日の両日、英国のニューマーケットで行われる。追いきりが購買の重要な要素となる2歳トレーニングセールではあるが、ここでは血統的な注目馬を挙げてみたい。

 リーディング上位の種牡馬が揃って産駒を送り出しているこのセールだが、最高値の候補はやはりサドラーズウェルズ産駒だろう。

 まず、上場番号39番の父サドラーズウェルズの牡馬は、仏オークス馬ラファの半弟。そのラファの産駒に、エアトゥーレが挑んだ昨年のG1スプリントC優勝馬インヴィジブルスピリットがいる。

 上場番号59番の父サドラーズウェルズの牡馬は、牝系がエルコンドパサーらでお馴染みの名門ラフショッド。叔父にジェイドロバリー、祖母の兄弟にヌレイエフがいるという超良血である。

 サドラーズウェルズに次ぐ欧州ナンバー2のデインヒルを父に持つのが、上場番号72番の牡馬。叔父に北米でG1・3勝のホークスター、叔母に愛オークス3着馬シルヴァーレイン、その産駒に日本でG1・2勝のブラックホークがいる。

 産駒ムーンバラードが先週末のドバイWCをぶっちぎり、親子制覇を果たしたシングスピールの産駒は3頭。それぞれ良血だが、中でも異色の存在が上場番号111番の牡馬。叔父に、スペインで3歳チャンピオンとなった後、アメリカに移籍してG2サンフランシスコマイル等に勝ったウェイヴィーランがいる。

 この他、叔父にG1イスパーン賞勝馬で日本で種牡馬入りしたクロコルージュ、従兄に英1000ギニー馬スリーピータイムがいる牡馬(父ナイトシフト、上場番号1番)、叔父に北米3冠馬シアトルスルー、同じく叔父に英2000ギニー馬ローモンドがいる牡馬(父シアトリカル、上場番号6番)、叔父にG1コックスプレート優勝馬アルマーラドがいる牡馬(父グランドロッジ、上場番号32番)、叔父にセントレジャーなどG1・3勝のシルヴァーペイトリアークがいる牡馬(父マージュ、上場番号55番)、祖母がチーヴァリーパークSなどG1・3勝し2歳牝馬チャンピオンに輝いたミンストレラという牝馬(父マウントリヴァーモア、上場番号63番)、祖母プロデューサーがG1ラフォレ賞勝馬で、叔父に一昨年のBCマイル3着馬バッハがいる牡馬(父キングマンボ、上場番号66番)、叔父に昨年のG1チャンピオンS勝馬ストーミングホームがいる牡馬(父インチノール、上場番号81番)、叔父に全米年度代表馬スキップアウェイがいる牡馬(父ウッドマン、上場番号82番)、叔母に英愛オークス連覇のラムルーマがいる牝馬(父ストラヴィンスキー)、叔父に英2000ギニー勝馬アイランドサンズのいる牡馬(父インティカブ、上場番号110番)、叔父に2歳G1レイシングポストトロフィー勝馬サラトガスプリングスがいる牡馬(父シアトルカル、上場番号115番)、叔母にG1モイグレアスタッドSらを制した2歳牝馬チャンピオン・レモンスフレがいる牡馬(父セルカーク、上場番号125番)、兄にG1クリテリウムドサンクルー勝馬マーチャンドサブレがいる牡馬(父ストラヴィンスキー、上場番号132番)、甥にG1凱旋門賞等を制した欧州3歳チャンピオン・パントルセレブルがいる牡馬(父ファスリエフ、上場番号145番)、叔父にG1キングジョージ等を制した欧州古馬チャンピオン・ムトトがいる牝馬(父ファスリエフ、上場番号162番)、叔父に仏2000ギニー勝馬ノーパスノーセールがいる牡馬(父カドゥージェネルー、上場番号180番)など、超A級馬の近親が目白押しである。

 また日本関連では、自身もニューマーケットの12月のセールで日本へやってきたメイショウドトウの姪にあたるのが、上場番号7番の父デザートサンの牝馬。G2青葉賞を制してクロフネとともに初の外国産馬による日本ダービー出走馬となったルゼルの全弟にあたるのが、上場番号17番の父ザフォニックの牡馬である。

 高松宮記念の勝馬シンコウフォレストを叔父に持つのが、上場番号24番の父スペクトラムの牡馬。現役のオープン馬エアエミネムを叔父に持つのが、上場番号40番の父ウッドマンの牝馬である。

 フランスに遠征してG3パース賞で3着に健闘したプリンセスカーラの半弟にあたるのが、上場番号45番の父キングオヴキングスの牡馬。叔父にロイヤルスズカ、近親にアグネスワールドやヒシアケボノがいるのが、上場番号76番の父サザンヘイローの牡馬である。

 安田記念、スプリンターズSとG1・2勝のブラックホークの従兄弟にあたるのが、上場番号86番の父シルヴァーホークの牡馬だ。

 アメリカの2歳セールが軒並み前年割れに終わった中、欧州の2歳市場はどう動くのだろうか。結果は4月23日のこのコラムでお伝えしたい。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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