2012年09月01日(土) 12:00
先日、ふと目にしたメジャーリーグの情報番組で、おもしろい趣向のアンケート結果が発表されていました。
それは、現役のメジャーリーガーに対して、「あなたが一緒にプレーしてみたいと思う歴史上の名選手は誰か?」と質問したもの。ベスト5には、タイ・カッブやジャッキー・ロビンソン、ミッキー・マントルなどの名前が挙がっていましたが、ダントツの1位はやっぱりベーブ・ルースでした。
これと同じようなアンケートを、日本の現役ジョッキー相手に行ったら、どんな答えが返ってくるでしょう。質問はズバリ、「あなたが乗ってみたいと思う歴史上の名馬は?」です。
シンザン、ハイセイコー、シンボリルドルフなんていう名前が挙がってくるんでしょうか。もうすでにオグリキャップやナリタブライアンも“歴史上の名馬”になっているかもしれませんね。あのディープインパクトだって、武豊騎手以外は騎乗していないんですから、彼以外の騎手から「この馬」という答えが返ってきてもおかしくないと思います。
もしあなたが、「ナマで見てみたいと思う名馬は?」と尋ねられたら、どの馬を思い浮かべますか?
私はやっぱりシンザンかな。3冠を取った菊花賞や、最後の直線で外ラチ沿いに振られて一瞬視界から消えたのに、再び現れたときには敢然と先頭に立っていたという伝説の有馬記念は、ぜひともタイムスリップしてナマ観戦してみたいレースです。
あとは、第1回東京優駿大競走を制したワカタカや初代3冠馬セントライトも見てみたいですね。ほかにも、ダービー馬となってまもなくこの世を去ったトキノミノルや、時にはサラブレッドも蹴散らしたアラブのセイユウ、そして、兵庫の吉田勝彦アナウンサーが「史上最強」と評するタガミホマレなどなど、数え上げたらキリがありません。
そういえば私、ハイセイコーはテレビで見ていただけで、競馬場でレースを見たことはないんです。ハイセイコーとシンザン、ナマで見てみたい、ということでは甲乙つけがたいですね。テレビで見たのとは違ったスゴさを肌で感じられるかもしれませんから。ハイセイコーにしてもシンザンにしても、当然ながら私の周りにはナマで見たという人がいるんですよ。うらやましいなぁ。
でもその反対に、あと何年かすれば、オグリキャップやナリタブライアン、ディープインパクトをナマで見たことが、誰かに「うらやましい」と思われる時代も来るはずです。そういう時のために、自分がナマで見た名馬の素晴らしさはしっかり覚えておかなくちゃいけませんね。
話は戻りますが、先に書いた現役ジョッキーを対象にしたアンケート、どこかで実施してくれませんか?個人的には、どんな結果が出るか、興味があるんですけど…。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。