2012年09月22日(土) 12:00
今週も凱旋門賞の話。同じネタが続いて申し訳ありませんが、何しろオルフェーヴルが前哨戦のフォア賞を快勝して最有力候補にのし上がったところですし、当サイトでも特集ページを組んでいるくらいですから、みなさんお許しいただけますよね。
過去10年(2002〜11年)の優勝馬と、凱旋門賞直前の成績を調べてみました。その一覧は以下のとおりです。
02年マリエンバード(牡5歳)=独バーデン大賞1着 03年ダラカニ(牡3歳)=ニエル賞1着 04年バゴ(牡3歳)=ニエル賞3着 05年ハリケーンラン(牡3歳)=ニエル賞1着 06年レイルリンク(牡3歳)=ニエル賞1着 07年ディラントーマス(牡4歳)=愛チャンピオンS1着 08年ザルカヴァ(牝3歳)=ヴェルメイユ賞1着 09年シーザスターズ(牡3歳)=愛チャンピオンS1着 10年ワークフォース(牡3歳)=英キングジョージ5着 11年デインドリーム(牝3歳)=独バーデン大賞1着
こうして並べてみると、やはり3歳牡馬の優勝が目立ちます。
古馬牝馬の優勝は93年のアーバンシー(4歳)が最後。5歳牝馬で優勝したのは37年のコリーダだけ。凱旋門賞の連覇は77、78年のアレッジド以降途絶えています。これらを考え合わせると、昨年の優勝馬で4歳になったデインドリームや、5歳牝馬のスノーフェアリーには厳しいデータと言えそうです。
一方、オルフェーヴルにとっての嫌なデータは、フォア賞出走組の優勝がないこと。両レースを“連勝”した馬は、74年のアレフランス、84年のサガスの2頭しかいません。サガスは翌85年にもフォア賞に優勝、凱旋門賞も1位でフィニッシュしましたが、2位に入線したレインボウクエストの進路を妨害したとして2着降着となっています。これでフォア賞優勝馬のツキが落ちてしまったのかも。99年のエルコンドルパサーも“連勝”できませんでしたし、95年のカーネギー、00年のモンジューといった前年の凱旋門賞優勝馬もダメでした。この流れをオルフェーヴルが断ち切れたら、大したものです。
それじゃぁ、データから見て凱旋門賞で怖い馬は?前走の愛チャンピオンSでスノーフェアリーに差をつけられましたが、その前のキングジョージではデインドリームのハナ差2着だったナサニエルはその中の1頭でしょうね。あとは、ここ数年勝ち馬を出していないとはいえ、06年までは他を圧倒していたニエル賞出走組の3歳馬。今年の勝ち馬サオノアが追加登録料を払って出てきたら、要注意だと思うんですが…。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。