オールカマー、神戸新聞杯は多点買いで高配当獲り

2012年09月22日(土) 20:00

 明日9月23日は東西のメインが芝2000m超のレース。また、阪神10Rには芝2000mのムーンライトハンデキャップが組まれており、WIN5対象レースの過半数が芝中長距離のカテゴリーということになります。ちなみに、来週9月30日のWIN5対象(予定)レースはすべて芝1600m以下。2週に渡って両極端な構成のWIN5が発売されることになりました。

 芝中長距離はなかなか興味深い傾向が出ているカテゴリーです。先週9月17日までのWIN5対象レースを集計すると、単勝1〜2番人気馬の勝率は芝2000m以上が21.0%、その他のレースが27.9%。人気の中心となっている馬が勝ち切る確率はやや低めと言えるでしょう。ただし、単勝3〜4番人気馬の勝率は芝2000m以上が14.5%、その他のレースが8.9%。「人気の中心ではないがそれなりに実力を認められている」というレベルの馬が勝つ確率はむしろかなり高めと言えます。

 ここから先は私の個人的な見解ですが、芝短距離やダートといったカテゴリーに比べると芝中長距離は展開が多彩。実力上位の4〜5頭がそれぞれ違った勝ちパターンを持っていて、そのうち展開のハマった馬が勝つ――という構図になりやすいんじゃないでしょうか。いずれにしろ、先の傾向を素直に解釈するなら「基本的には手広く押さえたい」「少点数で突破できれば(他のカテゴリー以上に)オイシイ」というのが芝中長距離の特徴と言えそう。買い目作りの参考にしてみてください。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→阪神10R ムーンライトH
 アロマティコは陣営が3走前の矢車賞を勝った時点から秋華賞を意識していた器。近2勝はいずれも小回り中距離を後方から捲るようなレースでメンバー最速の上がりを使っています。

 しかも休養明けの前走はまだまだ仕上がり途上の調教内容。もちろん本番は次なので、ここも少し余裕を持たせた仕上げですが、このくらいで負けるわけにはいきません。

推奨馬:5.アロマティコ

●今週の多点買いレース
→中山11R オールカマー
 展開面から予想すると逃げ先行グループにいるルルーシュが4角先頭の位置取りにいて、それに並びかけるナカヤマナイト。外からダコールという場面がイメージできますし、そういった競馬ができるだけの調教状態にあります。

 この場面でもう1頭圏内に加わることができそうなのがヒットザターゲット。縦長の展開になっていれば、早目に動いて勝負圏内に加われるでしょう。今回は坂路で本数多く調教しているので、その動きは可能です。

推奨馬:12.ヒットザターゲット、2.ルルーシュ、9.ダコール、13.ナカヤマナイト

【直結理論の奥田隆一郎 WIN5見解】

●今週の多点買いレース
→中山10R 市原特別
 ディアビリーヴは、すでに直結コースの京都ダ1800mにて1000万クラスを制している。最近では、4〜5走前に同コースの現級で馬券になり、前々走は直結コース新潟ダ1800mを連対した。休み明け3走目の走りごろで得意コースに出走するため、巻き返しを警戒する。

 ダイヤノゲンセキは、前走にて直結コースの京都ダ1800mで現級を勝利した。休み明けだが、中山ダ1800mに適性があるので緒戦から注意する。

 ホノカアボーイは、前々走で直結コース新潟ダ1800mの500万下を勝ち上がり、前走にて同コースの現級で馬券になった。休養前に1000万クラスを好走しているので、再昇級2戦目で適性の高い今回は勝ち負けになる。

推奨馬:4.ディアビリーヴ、8.ダイヤノゲンセキ、14.ホノカアボーイ

●今週の1点勝負レース
→中山9R 外房特別
 レイカーラは、中山芝1600mの未勝利を勝っている。昇級戦の前走を3着に好走。今回はクラス2戦目の前進があるうえにコース実績を持っているため、勝ち負けを期待できる。

推奨馬:7.レイカーラ

【古澤秀和のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→中山11R オールカマー
 ここにきて一気に良くなってきた。

 トモの肉付きが半端ではないし、その質感も弾力性たっぷり。重賞を勝てる仕様になってきた。

 体型的に中山コースも合いそうだし、この枠順なら道中好位の内でロスなく立ち回り、直線で弾けるイメージが立つ。

 最大のライバルになりそうなナカヤマナイトがまだ余裕残しの感じがあるし、それならばここは押し切れる場面だろう。

推奨馬:2.ルルーシュ

●多点買いレース
阪神11R 神戸新聞杯
 ここは人気馬に付け入る隙があるので、多点買いしておきたい。

 カポーティスターは腰高で脚が長めの体型。今の阪神の芝にピッタリだ。休み明けを叩いたアドバンテージは大きいし、距離延長もプラス材料。条件が揃っているここなら勝ち負けに持ち込めても良い。

 ヒストリカルは休み明けでも良く仕上がっている。道中内目で脚を溜められれば、馬群を縫う瞬発力もあるし、上位争いに確実に加わってきそう。

 ベールドインパクトはディープインパクト産駒にしてはパワーがある方なので、今の馬場はピッタリ。そこまで切れるタイプではないので内回り向きだが、馬場適性で勝ち負けに持ち込めても良い。

 マウントシャスタは休み明けでも好仕上がり。能力の高い馬だし、距離も大丈夫。当然勝ち負けに持ち込んでくる。

 ゴールドシップはまだ体が緩そうな感じだが、馬場は合っているし、距離も問題なさそう。頭まではどうかと思うが、一応の押さえは必要だろう。

推奨馬:4.カポーティスター、7.ヒストリカル、9.ベールドインパクト、11.マウントシャスタ、14.ゴールドシップ

【伊吹雅也のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→阪神10R ムーンライトハンデキャップ

 昨年の5回阪神芝2000mは、3歳以上のレースに限ると、前走がJRAの平地競走、かつ前走で出走メンバー中3位以内の上がり3ハロンタイムをマークできなかった馬が[0-1-3-20]。今年の4回阪神芝2000mも同様の傾向です。注目は川須栄彦騎手とアロマティコのコンビ。ここ4戦連続で出走メンバー中2位以内の上がり3ハロンタイムをマークしていますし、脚質を考えれば少頭数もプラスでしょう。高齢馬が揃ったここなら昇級緒戦でも順当に勝ち上がれると思います。

推奨馬:5.アロマティコ

●今週の多点買いレース
→中山11R 産経賞オールカマー

 前走がJRA重賞以外だった馬は2002年以降[0-1-2-26]、前走がJRAGIIIだった馬は2006年以降[0-1-3-28]とそれぞれ不振。JRAGIやJRAGIIを主戦場としているような実績馬を重視したいレースです。また、4コーナーを4番手以下で通過した馬は2003年以降[0-6-8-61]。先行有利とまでは言えませんが、差し一手の馬は過信禁物でしょう。一応の中心は宝塚記念から直行してきたナカヤマナイト。今年1月のAJCCで2着に好走している点は評価できます。人気薄の中では、JRAGIで好走経験のあるコスモラピュタ、芝2200mのJRAGIIで連対経験のあるユニバーサルバンク、宝塚記念や札幌記念を経由してきたヒットザターゲットあたりが楽しみです。

推奨馬:4.コスモラピュタ、8.ユニバーサルバンク、12.ヒットザターゲット、13.ナカヤマナイト

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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