秋華賞は広く浅く、前半戦で勝負を決める!

2012年10月13日(土) 20:00

 通常、私は予想する際に“出目”というファクターをほとんど意識していません。もちろん、枠番/馬番別成績をまったく見ていないというわけではなく、「このレースはふたケタ馬番の馬がほとんど来ていない=外枠不利なレースなのだろう」「このコースは若い枠番の馬が優勢だった=内枠有利なコースと考えて良さそう」といった形で枠番/馬番別成績を利用することは多々あります。しかし、「このレースは3枠が強い=じゃあ3枠の馬を狙おう」「このコースは12番枠が死に目=ならば12番枠の馬は無条件で消そう」といった具合に枠番/馬番別成績を解釈していく予想手法は私の守備範囲外。まして、コースやクラスの異なるレース同士をひとまとめにして“出目”を語るのは乱暴過ぎるだろう――と考える立場です。

 しかし、そんな私でも「最近のWIN5は“出目”が異様に偏っていないか!?」と感じています。ここ3回はいずれも1レース目を勝ったのが4番枠の馬でしたし、その4番枠はここ6回で6勝というハイアベレージ。他にも、8番枠がここ6回で5勝、12番枠がここ4回で3勝、14番枠がここ3回で3勝と、それぞれ優秀な勝率をマークしていました。

 繰り返しになりますが、こうした傾向があることに気付いた今でも、私が今週のWIN5で4、8、12、14番枠の馬を重視することはまずありません。これまで通りのスタンスで各レースを予想し、純粋に有力と見た馬の馬番をマークするだけです。ただ、客観的に見てちょっと面白い状況であることもまた事実。「『NUMBERS』みたいなくじなら明日は4、8、12、14番枠が人気になったんだろうなぁ」と想像すると、WIN5の特性や奥深さを逆説的に感じることができます。予想を終え、あとは結果を待つだけの段階になったら“出目”にも注目しながら見守りたいですね。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→新潟11R 信越S
 考え出せば10頭挙げても安心できないオープン特別のハンデ戦。こんなレースこそ、かえって絞るというのが私の考え方なので、ここはフライングアップルを選択してみました。ファイナルS2着時と同じ乗込併用という調教タイプが大きな理由ですが、新潟芝1400mは美浦坂路追い切り馬にとって適性の高い条件。そのあたりも勝って不思議ないと予想した根拠です。

推奨馬:9.フライングアップル

■今週の多点買いレース
→東京10R 秋嶺S
 東京ダート1600mは併用調教馬に適性の高い条件。今開催もその傾向はしっかり出ており、先週行われた1000万下の山中湖特別では1着2着が併用調教馬でした。それを参考にすれば、馬ナリ平均併用のイジゲンはほぼ勝ち馬として間違いなさそう。ただ同じ併用調教であるイーグルドライヴ、サイモントルナーレ、トモロポケットまで押さえれば万全でしょう。

推奨馬:1.トモロポケット、2.イジゲン、8.サイモントルナーレ、12.イーグルドライヴ

【奥田隆一郎のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→京都10R 三年坂特別
 セイルラージは、京都と阪神の外回りコースでしか馬券になったことがなく、最後の直線が長いマイル戦を得意にしている。休み明けの前走を叩いた上積みもあり、得意コースで勝ち負けになる。

推奨馬:10.セイルラージ

■今週の多点買いレース
→東京11R アイルランドT
 アースシンボルを、穴馬として狙う。5走前に直結コース阪神芝2000mのマーメイドSを人気薄ながら3着に激走した。また、3走前に同コースのアイルランドT(前年の同レース)を、これも人気薄で3着に好走している。直結+同コースで大駆けした実績があり、適性は高い。休み明けを叩いた良化も見込めるため、得意コースでの変わり身を期待する。

 レインボーペガサスは、3歳時に直結コースのGIレースである皐月賞や日本ダービーを4〜5着に好走している。古馬になってから重賞でイマイチだが、さすがにオープン特別は能力上位。リルダヴァルは、東京芝コースでNHKマイルC(GI)の3着や前々走のジューンSの勝利がある。また、距離2000mでは大原S(1600万下)の勝利やアンドロメダS(OPEN)の連対があり、この距離までは対応できる。

推奨馬:2.リルダヴァル、4.レインボーペガサス、11.アースシンボル

【古澤秀和のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→東京11R アイルランドT
 ここはリルダヴァル1頭で攻めたい。2走前あたりから大分復調しているし、ようやく本来の潜在能力を発揮できるようになってきた感じ。馬場のいい東京の2000mはベストに近い条件だし、内枠を引いて道中ロスなく進めるのも好材料。メンバー的にもここは決めたいところ。

推奨馬:2.リルダヴァル

■今週の多点買いレース
→京都11R 秋華賞
 土曜日の京都競馬は内枠・先行が有利な馬場だった。大本命のジェンティルドンナが外枠を引かされているだけに、ここは一応多点買いで臨んでおきたい。ヴィルシーナは最内枠を引いてロスなく運べそう。ただ、間を割るような瞬発力はないので、早目に動いていく形が理想か。最内枠で捌くのが難しくなりそうだが、鞍上が鞍上だけに捌ければ勝ち負け。ハワイアンウインドは前走が狭い所を割って差し切る強い競馬。あの競馬ができるのは今の馬場では大きな武器だ。同じキングカメハメハ産駒のアパパネと似たような体型・走り。能力的にも通用して良い馬だし、ここは上位争いを期待。

 キャトルフィーユは骨折明けの前走を叩いて急上昇。その前走でも好位からしぶとく伸びて4着。能力を感じさせた。今回は単騎逃げもあり得るメンバー構成だし、馬体も確実に良くなっている。アッと言わせる場面もある。ジェンティルドンナは前走が完全に余裕残しの仕上げ。それでも2番手から楽に押し切る横綱相撲。今回は格段に馬が良くなっているし、サッと好位を取ればあっさりの場面も。ただ、枠順を考えると取りこぼしが無くもないので、馬券的にはそこを突きたいところだ。

推奨馬:1.ヴィルシーナ、4.ハワイアンウインド、8.キャトルフィーユ、14.ジェンティルドンナ

【伊吹雅也のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→京都10R 三年坂特別
 昨年の5〜6回京都芝1600m外回りは、3歳以上のレースに限ると前走で1600m超のレースに出走していた馬が[0-0-1-24]と大不振。やや長めの距離に適性がありそうな馬は割り引くべきでしょう。注目は武豊騎手とデンコウジュピターのコンビ。このクラスなら実績上位ですし、コース適性も申し分ありません。また、脚質を考えれば少頭数も好材料。順当に勝ち上がれるのではないかと思います。

推奨馬:12.デンコウジュピター

●今週の多点買いレース
→新潟11R 信越S
 昨年の5回新潟芝1400mは、3歳以上のレースに限ると4コーナーを5番手以下で通過した馬が[0-1-2-37]、6〜18番枠の馬が[1-1-1-36]。内枠の先行馬がよく穴をあけていました。狙ってみたいのはゼロス、トゥニーポートの2頭。枠順や先行力は申し分ありませんし、芝1400m、かつゴール前の直線が短いコースもそれぞれ合いそうです。また、好枠を引いたサンディエゴシチー、実績上位のファイアーフロートも上位争いに食い込む可能性が高いはず。手広く構えて突破を図るべきでしょう。

推奨馬:3.ゼロス、4.トゥニーポート、5.サンディエゴシチー、14.ファイアーフロート

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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