天皇賞は多点買い、他レースは1点勝負で高配当狙い!

2012年10月27日(土) 20:00

 先週10月21日(日)のWIN5は7320円の史上最低配当決着となりました。5レース中4レースで単勝1番人気馬が勝利、しかもそのうち2頭が単勝オッズ1倍台半ばという組み合わせでは“万馬券未満”の配当も仕方ありません。ちなみに、残る1レースは東京10Rの甲斐路ステークスで、こちらも単勝2番人気のダイワマッジョーレが優勝。このレースはサトノアポロとダイワマッジョーレがほぼ同等の支持を集めていましたから、的中組番の9-2-9-12-1はWIN5の全38万3328通り中1番人気の組み合わせだった可能性すらあります。少なくとも2番人気以内ではあったでしょうし、やはりこのくらい人気が集中する組番だと100倍未満のオッズになってしまうものなんですね。

 先週は極端過ぎるにしても、今秋のWIN5は全体的に低配当続き。特に9月16日(日)以降の7回は100万円を超えたのが1度だけで、残る6回がいずれも40万円未満の決着となっています。この傾向が続くと見るか否かは人それぞれでしょうけど、昨年の天皇賞(秋)当日=10月30日(日)は1億6213万1980円の超高配当決着でしたし、「そろそろ荒れるのでは!?」と考えている方が結構多いかもしれません。

 もっとも、昨年の10月30日(日)は総出走頭数が85頭、総組み合わせ数が141万48通りという多頭数のメンバー構成でした。明日10月28日(日)は総出走頭数が67頭、総組み合わせ数が34万9920通り(前日12時時点)で、当時の約1/4。あれだけ堅かった先週10月21日(日)よりも少なく、過去の傾向からも大波乱の可能性は高くないと思います。どういう作戦で臨むにしろ、この点はアタマに入れておきたいですね。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→京都11R カシオペアS
 京都芝1800mで4勝を挙げているネオヴァンドームを差し置いてヒストリカル。この馬自身もこの舞台では、きさらぎ賞でワールドエースの2着。当時の推定上がりが32.8秒ですから、能力とこの条件への適性は抜けています。降雨が予想されていますが、それにも対応できる標準多め坂路の仕上げですし、ここは能力の違いを見せてもらいましょう。

推奨馬:10.ヒストリカル

■今週の多点買いレース
→東京11R 天皇賞秋
 勝ち馬に限って、過去5年という検証範囲にすると、併用系統の調教タイプが3勝、坂路で本数多い調教タイプが2勝というのが天皇賞秋の勝ち馬調教傾向。No.1予想にも記したように、近3年が圧倒的に併用優勢という傾向からエイシンフラッシュ、カレンブラックヒル、ナカヤマナイト、トゥザグローリーといった4頭を挙げることができますが、坂路で本数多い調教タイプが勝つなれば、ジャスタウェイも外すわけにはいきません。

推奨馬:12.エイシンフラッシュ、16.カレンブラックヒル、1.ナカヤマナイト、18.トゥザグローリー、11.ジャスタウェイ

【奥田隆一郎のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→東京10R 紅葉S
 タイキパーシヴァルは、前々走にて直結コース阪神マイルの1000万クラスを勝ち上がり、前走で直結コース京都マイルの現級を連対した。休養前にも1600万クラスで好勝負しており、適性×実績の両面から推奨できる。

推奨馬:1.タイキパーシヴァル

■今週の今週の多点買いレース
→新潟11R 魚沼S
 プティプランセスは、新潟芝2000mの信濃川特別(1000万下)を勝ち上がり、同コースの重賞、新潟記念を5着に善戦した。前走は重賞を惨敗したが、条件戦に戻って得意コースなら大駆けを期待できる。ゴールデングローブは、新潟芝コース3戦3勝のコース巧者。この距離(新潟芝2000m)でも500万クラスを2勝している。休み明けの前走を叩き、自己条件で変身できる。メイショウジンムは、3走前に新潟芝コースの現級を連対している。前走は東京で4着に善戦したが、新潟の中距離に替わって前走以上の好勝負を期待する。

推奨馬:11.プティプランセス、6.ゴールデングローブ、3.メイショウジンム

【古澤秀和のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→京都11R カシオペアS
 ここ2走は結果的に距離が長かった。今回は京都の1800mに条件が変わるし、手先が軽くて軽い切れで勝負するこの馬にとってはピッタリの条件。メンバーもそれほど強い馬はいないし、斤量的にも有利。ここはまず勝ち負けに持ち込めそうだ。

推奨馬:10.ヒストリカル

■今週の多点買いレース
→東京11R 天皇賞・秋
 ここは念のために多点買いしておきたい。フェノーメノの前走は、結果が出ていなかった中山コースでも力の違いを見せつける圧勝劇。一夏越しての、さらなるパワーアップを見せつけた。今回は使われて馬体が絞れ、さらに良くなっているし、ベスト条件と言っていい東京2000m、手ごろな枠順と崩れる要素がかなり少ない。斤量差もあるので頭まで十分期待できる。

 ルーラーシップは宝塚記念以来のレースになるが、仕上がりが良さそうだし、このメンバーなら明らかに力上位。ここでも勝ち負けに持ち込んでくるはずだ。ナカヤマナイトは一夏を越しての成長が著しい。馬体が柔軟で筋肉の張りも良くなっている。ロスのない枠順を引けたし、うまく立ち回れば好勝負になってもいい。ダークシャドウは札幌記念時とは雲泥のデキ。昨年の2着が示すように力はここでも通用するし、大崩れすることはなさそう。カレンブラックヒルは力は足りるし距離も保ちそうだが、枠順がネック。そこをクリアすれば上位争いに持ち込める。

推奨馬:1.ナカヤマナイト、4.フェノーメノ、6.ルーラーシップ、13.ダークシャドウ、16.カレンブラックヒル

【伊吹雅也のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→京都10R 長岡京ステークス
 昨年の5〜6回京都芝1400m外回りは、3歳以上のレースに限ると前走で1400m未満のレースに出走していた馬が[0-1-0-20]。スプリント色の強い馬は割り引くべきでしょう。また、前走がJRAの平地競走、かつ前走の4コーナーを4番手以下で通過した馬も[1-4-3-38]とあまり勝ち切れていません。注目は和田竜二騎手とウエストエンドのコンビ。前走が好内容でしたし、この馬自身も既に1600万下で好走経験があります。他の出走馬がそれぞれ不安要素を抱えている分、連勝を期待できそうです。

推奨馬:4.ウエストエンド

■今週の多点買いレース
→新潟11R 魚沼ステークス
 昨年の5回新潟芝外回りは、3歳以上のレースに限ると4コーナーを5番手以内で通過した馬が[1-4-6-37]。一方、優勝馬8頭中7頭は出走メンバー中1位の上がり3ハロンタイムをマークした馬で、残る1頭も上がり3ハロンタイムは出走メンバー中2位でした。差し馬が脚を余す可能性はほとんどないと見るべきでしょう。狙ってみたいのは新潟芝外回りに実績のあるゴールデングローブ、プティプランセス、昨秋以降はキャリアの大半で出走メンバー中1位の上がり3ハロンタイムをマークしているツルミプラチナム。特に丸一年以上も新潟芝外回りを使っていないプティプランセスは楽しみです。

推奨馬:2.ツルミプラチナム、6.ゴールデングローブ、11.プティプランセス

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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