2012年10月31日(水) 10:00
異なるのは気候ばかりではない。競馬場によって馬場状態も違い、特に今年のBCクラシックは、25回を数える歴史で初めてダートではなくオールウェザー(サンタアニタ競馬場ではプロライドという製品を使用)の馬場で争われることになった。
北米のオールウェザーは、芝での活躍馬がたびたび好走することから、メインのBCクラシックには凱旋門賞に出走(7着)したデュークオブマーマレードのほか、ヘンリーザナヴィゲーター、レイヴンズパスが挑戦してきた。
しかし、やはり最大の注目は、連覇が期待されるカーリン。今年はドバイワールドCも制し、ダートではまぎれもない世界最強馬。ただこれまで実戦ではオールウェザーの経験がなく、それが唯一ともいえる懸念材料だった。
本馬場に向かうカジノドライヴ
カーリンは単勝では2倍を切る断然の1番人気。カジノドライヴは2週前にオールウェザーの一般戦を勝っていたこともあり、一時は2番人気にまで推されたが、最終的には4番人気に落ち着いた。
好スタートを切ったカジノドライヴは、ほかにハナを主張する馬がなく、内の2番枠だったこともあり、想定外にハナを切る展開になった。そしてカーリンは中団のやや後ろを追走した。3コーナー過ぎ、カーリンがものすごい勢いで大外をまくってきた。4コーナーで先頭に立ち、そのまま突き抜けるかと思われたが、意外にも直線では伸びない。
勝ったのは伏兵レイヴンズパス
カジノドライヴは、3〜4コーナーで後続に一気に並びかけられたところで手ごたえをなくし後退。勝ち馬からは20馬身ほども離された最下位に終わった。
「馬の雰囲気はよかったし、期待はしていた。結果的に使い出しが遅くなったぶん、押せ押せで来たところが出たのかな。ちょっとローテーションに余裕がなかった」と藤沢和雄調教師は残念な表情を見せた。このあとは日本に戻ってしばらく休養。自己条件となる1600万クラスから使い始め、再びアメリカに挑戦するという。
勝ったレイヴンズパス、2着のヘンリーザナヴィゲーターはともに欧州のマイル路線の活躍馬。この結果だけで、サンタアニタのオールウェザーコースは芝が得意な馬に向いていると言い切ることはできないが、地元北米のトップホースが欧州からの遠征馬に完敗したことは、衝撃とも言える結果。
四半世紀が過ぎたBCは、ひとつの転換点を迎えたように思う。
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
netkeiba特派員「netkeiba海外競馬通信」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
netkeiba特派員
専属特派員による現地からの最新情報や、著名人によるレース展望・レポートなど、日本馬出走の海外ビッグレース情報をどこよりも詳しく、より早くお届けします。公開はプレミアムサービス限定となります。