渡辺薫彦元騎手(3)『ダービーの時に豊さんが…』

2013年01月21日(月) 12:00

テイエムオペラオー、アドマイヤベガとともに「三強」として1999年のクラシック戦線をにぎわせたナリタトップロード。渡辺騎手にとって、デビュー6年目で訪れた名馬との出会いでした。三冠レースすべてで主役が入れ替わる白熱振りに、高まる周囲の期待と大きなプレッシャー。今だから語れる、当時の胸の内を明かします。(1/14公開Part2の続き)


:デビュー6年目で出会ったナリタトップロードは、後にGI勝利も叶えてくれる馬ですが、当時はどんな気持ちで乗られていましたか?

渡辺 :今考えると、最初のうちは大きなプレッシャーではなかったんです。良い馬だというのはもちろんわかっていたのですが、その当時は僕自身が重賞を勝ったことがなかったので、まさかGIまで獲らせてもらえるなんて想像もしていなかったですから。

:じゃああまり気負わずに、緩やかに乗れていたっていう。

渡辺 :そうですね。でも、レースに乗るにつれて「すごいな」と感じるようになって、それから力が入っていきましたね。

:皐月賞前のきさらぎ賞、弥生賞と重賞連勝ですもんね。きさらぎ賞が渡辺さんの重賞初勝利で、このあたりからすごく話題にもなって。


おじゃ馬します!

会心の勝利だった弥生賞

渡辺 :特に弥生賞は会心のレースだったんです。強い勝ち方をしたんですよね。そうすると、やはりその辺りから周りも騒がしくなっていきましたからね。だんだんと大きなプレッシャーになっていきました。

:プレッシャーが強まる中で迎えた皐月賞。1番人気が武豊騎手のアドマイヤベガ(6着)、2番人気がナリタトップロード(3着)で、勝ったのは和田竜二騎手の5番人気・テイエムオペラオーでした。

ナリタトップロードは皐月賞3着からいよいよダービーに挑むわけですが、注目なのが三強の人気。皐月賞を勝ったテイエムオペラオーは3番人気、2番人気がアドマイヤベガで、1番人気に推されたのがナリタトップロード。三強で1番人気ってなると、プレッシャーですよね。

渡辺 :そうですね。それも・・・

続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

東奈緒美・赤見千尋

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

新着コラム

コラムを探す